Web Syllabus(講義概要)

平成27年度

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確率過程概論(Introduction to Stochastic Processes) 渡辺 隆治
3年 後期 専門科目選択 1単位
【ヒューマン・後】 15-1-0516-2015

1.
授業目標

 確率論の一分野である確率過程の基礎的な概念を理解することを目標とします。
 確率過程とは確率法則に従って時間変化する確率変数のことですが、時間に依存する確率変数の分布や平均値などの特性値の取り扱い方法を理解することを目標とします。

2.
授業概要

 確率過程の入門レベルのコースで、確率の基礎、確率変数、確率変数の特性値、母関数と特性関数、確率過程の概念、ポアソン過程、マルコフ連鎖から構成されます。
 理工学のみならず、社会科学、経済学等の広範な領域の確率過程を例題として取り上げます。
 講義と並行して演習を行います。演習問題については、その解答を板書により発表してもらいます。

3.
準備学習(授業時間外の学習)

 宿題として出した演習問題の解答を作成して、授業での演習に臨んで下さい。

4.
授業計画

【第1回】 確率の基礎      :確率空間、確率の性質、条件付き確率、独立性
【第2回】 確率変数       :確率変数と分布関数、確率関数と確率密度関数、同時分布、独立性
【第3回】 確率変数の特性値 :平均値、分散、チェビシェフの不等式、大数の弱法則
【第4回】 母関数と特性関数  :確率母関数、特性関数、モーメント母関数、中心極限定理 
【第5回】 確率過程の概念   :確率過程、ベルヌーイ試行
【第6回】 ポアソン過程      :計数過程、ポアソン過程
【第7回】 マルコフ連鎖      :マルコフ連鎖、推移確率、ランダムウォーク、極限分布と定常分布
【第8回】 総括、科目修得試験

5.
成績評価の方法、基準

 科目修得試験を8割、演習問題の解答の板書発表を2割の割合で考慮して成績を評価します。
 授業で扱う例題と演習問題を自力で解く力を身につけることが科目修得の基準です。

6.
使用テキスト及び使用教材

 教科書  : 伏見正則 『確率と確率過程』(朝倉書店)
 参考書  : コルモゴロフ,ジュルベンコ,プロホロフ 著; 丸山哲朗,馬場良和 訳
         『コルモゴロフの確率論入門』(森北出版)
 演習問題 : LMSに掲載されているものを各自印刷して持参して下さい。

7.
その他

 科目修得試験では、参考資料等の持ち込みを禁止します。宿題として出した演習問題を中心に出題しますので、それらの復習を十分にして科目修得試験に臨んで下さい。
 再試験での参考資料等の持ち込みも禁止します。再試験の時に、授業時に宿題として出した演習問題の計算過程を詳しく記述した解答をレポートとして提出したものに対して、レポート点を加点します。