Web Syllabus(講義概要)

平成27年度

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材料・構造強度学 (Strength of Material and Structure) 橋本 敬三
1年 後期 専門科目選択 2単位
【専工前・後】 15-3-1026-2335

1.
授業目標

ミクロな構造が材料の機械的性質(引張,圧縮,疲労,クリープ)に及ぼす影響について明らかにする。特に,転位論をベースに格子欠陥(空孔,転位,積層欠陥,結晶粒界,固溶原子,進入型原子,析出物)によって,材料が強化される機構について体系的に講義する。授業は英語のDVDを使用し、内容の解説を行う。

2.
授業概要

ジェットエンジンの構造を理解し,必要な材料の性質について理解する。格子欠陥(空孔,転位,積層欠陥,結晶粒界,固溶原子,侵入型原子,析出物)によって,材料が強化される機構について体系的に講義する。さらに,材料の破壊、高温におけるクリープ現象、疲労現象について理解する。ミクロな結晶構造から出発し,転位等の格子欠陥が材料の機械的性質(疲労,クリープ)に及ぼす影響について明らかにする。実習として,本講義では破壊した試料の電子顕微鏡観察を行い,観察結果をもとに議論をおこなう。

3.
準備学習(授業時間外の学習)

授業内容は学部の授業より専門的ですが,図を多用して,できる限り平易に英語を交えて講義します。英語の専門用語については、あらかじめ予習をしておいてください。「材料強度学」、「固体の力学」等に関連がありますので,履修希望者はそれらに相当する科目を学部にて履修していることが望ましい。

4.
授業計画

配布したプリントについて準備学習を行い、授業では'Introduction to Engineering Materials' DVD(英語)を何回も聞き、内容を理解するすることによって進めていきます。

第 1 回  ジェットエンジンの仕組
  ジェットエンジンの原理,構造についてJ-850カットモデルを用いて説明する。
第 2 回 機械的性質1
  応力とひずみの定義,フックの法則
第 3 回 機械的性質2
  降伏現象、シュミット因子
第 4 回 機械的性質3
  大規模変形,ネッキング,破断
第 5 回 転位と塑性変形1
  すべり現象、転位の種類
第 6 回 転位と塑性変形2
  電子顕微鏡による転位の観察
第 7 回 転位と塑性変形3
  転位の応力場
第 8 回 転位と塑性変形4
  転位のもつエネルギー,転位密度
第 9 回 疲労とクリープ1
  固溶硬化,
第 10 回 疲労とクリープ2 
  疲労破壊
第 11 回 析出強化1 
  ジュラルミンの発見
第 12 回 析出強化2
  析出のメカニズム
第 13 回 破壊について
  破壊現象の観察
第 14 回 演習
  走査型電子顕微鏡による破面観察
第 15 回 まとめ
  破面観察結果の考察

5.
成績評価の方法、基準

課題の提出状況と最終課題のレポートにより評価する。通常の試験は行わず,レポートで評価します。

6.
使用テキスト及び使用教材

教 材:その都度プリントを配布します。
参考書:
「材料強度学」 加藤雅治,熊井真次,尾中 晋 著 朝倉書店 (1999) 3000円
「入門 転位論」  加藤雅治 著 裳華房 (1999) 2600円
「材料強度学(第2版)」 横堀武夫著 岩波書店(1974)

7.
その他

適宜プリントを配布して,講義を行います。また英語のDVD教材「Introduction to Engineering Materials ; Charles J. McMahon, Jr」を用いて説明を行います。走査型電子顕微鏡による観察を行います。