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授業の内容(Course Description) |
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この授業では、第1に、日本の産業を理解するための共通の知識、第2に、地域から見た日本の産業、第3に、特殊な産業である「農業」について説明する。本授業は「日本の産業Ⅰ」の続編であるが、同科目を履修しなくても問題はない。 産業活動は経済社会を支える重要な役割を有している。しかし、産業の動き(産業行動)及びそれを最適化する政策(産業政策)に関する研究は十分になされてこなかった。このため、産業行動および産業政策の分野は学問分野としての地位が確立されず、経験的・実務的な分野とされてきた。経済のグローバル化が進む中で、行き過ぎた市場経済主義の弊害が認識され、産業行動および産業政策を体系的、理論的に理解することが必要となっている。 本授業ではおもに製造業、エネルギー産業、サービス産業、農業を対象として、産業行動の背景にある法則を考え、理解を深める。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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(1)産業を理解するための基礎知識を習得する。 (2)産業を、経済合理性の視点から理解する。 (3)産業を、その経済社会的背景との関係で理解する。 (4)産業行動の背景にある一般法則について理解する。 (5)産業政策を企画立案・実施・評価する能力を修得する。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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定期試験による、平常点を加点する。(100%)
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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テキストは使わず、パワーポイントを中心に説明する。必要に応じて、プリントを配布する。参考文献は、授業の中で適宜紹介する。
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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授業の中で、産業に関連する経済・ビジネスニュースを採りあげて説明するので、各種メディアの日々の経済・ビジネスニュースをチェックする習慣をつけること。とくに、日本経済新聞は購読し、常時チェックすることが望ましい。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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私語、スマートフォン・携帯電話の使用、熟眠は認められない。 授業は、知識を得るだけの場ではない。講義を聞き、自ら考え、経済・社会の事象についての見方、考え方を確立してほしい。 パワーポイントを見て、話を聞いて、その要点をノートするという能力を涵養すること。実社会に出れば、必須の能力である。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 イントロダクション:産業とは何か。 (注:【第2回】以降の内容は、学習の進捗状況、学生の理解の程度などにより、採りあげる内容・説明の順番を変更することがある。) 【第2回】 産業・企業に関する用語、実務上の基礎知識(1):最終財・中間財産業、企業規模の概念、連結と単体、ホールディング、外資系、同族企業、営業利益、海外事業比率、株価、四季報など 【第3回】 産業・企業に関する用語、実務上の基礎知識(2):前回の続き 【第4回】 産業を理解するための基礎概念:産業分類、産業構造、産業組織、産業集積 【第5回】 産業連関:各産業は相互にどのように影響し合っているかを分析する手法 【第6回】 産業政策:産業を好ましい方向へ誘導する政策手段、過去の有名な産業政策の事例の紹介 【第7回】 産業における技術:現代産業を支える技術開発、特許、規格 【第8回】 地域から見た産業(1):産業立地、産業誘致、産業の海外流出、地場産業 【第9回】 地域から見た産業(2):前回の続き 【第10回】 地域から見た産業(3):商店街の現状、商店街の盛衰とその要因 【第11回】 地域から見た産業(4):大規模店舗は商店街の真の敵か? 【第12回】 特殊な産業である農業(1):日本の農業の現状、食料自給率 【第13回】 特殊な産業である農業(2):経済のグローバル化の下における日本農業の立場 【第14回】 特殊な産業である農業(3):日本農業について、特殊な産業から一般の産業に脱皮する方法 【第15回】 総括:経済のグローバル化の中で、日本産業は如何にあるべきか
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