Web Syllabus(講義概要)

平成27年度

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憲法特講 II/憲法特講B 鬼頭 誠
選択  2単位
【法律】 15-1-1210-3338-04

1. 授業の内容(Course Description)

 「私は警察などのごやっかいになるつもりはないから刑罰法規には無縁です」という「普通の人」でも、政府から「裁判員」に指名され、凶悪事件の被告人を裁かなければならない時代になりました。私たちは一人一人が「国民」としてのなにがしかの責任と権利をもつ国、民主政治の中に生きているのです。
 責任、そして、人権など諸権利の中身と根拠が書かれているのが最高法規、つまり憲法です。
 現在の日本国憲法は世界各国の憲法の中でも異例の長期間(68年間)、つまり1947年に施行されて以来今日まで全く改正されずにきました。改正を検討すべき点は多々あります。
 憲法は、民法や刑法など法律とは異なり、わたしたちの「国民投票」によって改正されます。国会議員ではない普通の国民である私たちも、全103か条の憲法各条に一度は目を通し、大まかでもその内容を知っているのが望ましいのです。
 憲法は、就職活動において、また一般職の公務員、警察官・消防官・自衛官などの試験でも、その知識が試されます。
 授業は、憲法各条文の理解にとどまらず、国民に広くわかりやすい改正に取り組みつつ、民主主義国の国民としての教養を培うことに努めます。

 憲法Ⅱでは、「国会」「内閣」「司法」「財政」「地方自治」など、政治の構造面を主に勉強します。

2.
授業の到達目標(Course Objectives)

 基礎的であって、かつ、発展的な講義内容の理解
 主権者としての意識の向上

3.
成績評価方法(Grading Policy)

 授業内レポートと授業での貢献、期末の復習試験。最終的には総合評価します。

4.
テキスト・参考文献(Textbooks)

 テキスト:読売新聞憲法問題研究会編『初学者が分かる解説日本国憲法』(2013年 読売電子書籍)毎回LMSから配信します。
 参考文献:西修編著『エレメンタリ憲法 (新訂版)』(2008年 成文堂)3,024円
 参考文献:芦部信喜著・高橋和之補訂『憲法 第五版』(2011年 岩波書店))3,348円

5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)

 LMS配信によるプリントを中心に、授業のあったその日のうちに習ったことを確認しておきます。復習が中心です。この積み重ねを着実に実行しておけば、期末試験は比較的に楽なはずです。

6.
学生への要望・その他(Class Requirements)

 シラバスは目安で、適宜変更することがあります。2013年まで政治・外交・憲法担当の新聞記者でしたので、日々の新聞報道を活用した授業を心がけます。ご承知おき、ご期待ください。
 授業中の行動はすべて就活に直結すると考えて、礼儀正しく、建設的、現実直視で授業に臨みましょう。

7.
授業の計画(Course Syllabus)

【第1回】
 憲法の成り立ち、第1~3章の概要
【第2回】
 第4章 国会の運営
【第3回】
 二院制(政党、選挙制度)
【第4回】
 第5章 議院内閣制度(首相公選、大統領制)
【第5回】
 非常事態
【第6回】
 裁判所(裁判員制度、国民審査、検察審査)
【第7回】
 違憲立法審査
【第8回】
 憲法裁判所
【第9回】
 財政
【第10回】
 地方自治(「地域主権」「地方分権」)
【第11回】
 条約、憲法附属法
【第12回】
 憲法改正(改正要件)
【第13回】
 新しい条文案
【第14回】
 おさらいと改正試作
【第15回】
 おさらいと改正提言