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授業の内容(Course Description) |
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図画工作科の授業は、小学校の教育課程の中に「表現及び鑑賞の活動を通して、感性を働かせながら、つくりだす喜びを味わうようにするとともに、造形的な創造活動の基礎的な能力を培い、豊かな情操を養う。」ことをねらいとして位置づけられている。 この授業では、子どもの楽しい主体的な学びの場をつくっていくために、授業の中心となる「題材」を実際に体験し、製作しながら、その目的、内容、方法、教師のあり方などについて関連付け、教科指導に関する理解を深めていきたいと思う。 また、造形活動の基本的な原理である「材料・場所」「操作」「イメージ」の視点から把握しながら、より深い題材理解をうながしていきたいと考えている。 授業では、「学習指導要領」に基づいた内容を、自らが、子どもの立場に立って、製作・体験し、味わいながら、学習を進める。各自、授業実践についての「ポートフォリオ」を作成し、教科の指導力を高めたいと考える。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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・図画工作科における基礎的な知識・技能を身に付ける。 ・各種題材の製作を通して、自分なりの造形表現や鑑賞活動を行い、実践的な指導力を身に付ける。 ・グループワークで議論を深め、発表できるようにする。 ・学習内容を「ポートフォリオ」にまとめ、省察する。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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①「ポートフォリオ」作成と提出。50 % ・配布資料を保管し読んでいるか。 ・学習内容や活動を記録し明示しているか。 ・学習内容や活動への自分の考察をワークシート等に書いて、まとめているか。 ・学習内容や活動を美的に構成し、まとめているか。 ②主体的な表現活動と鑑賞活動、及び、グループワークの話し合いと発表。30% ③授業への関心・意欲・態度。20% ④出席(2/3以上) …以上の観点から総合的に判断します。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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◯テキスト ・『小学校学習指導要領解説 図画工作編』(文部科学省、日本文教出版、定価85円) ◯参考文献 ・『小学校新学習指導要領ポイントと授業づくり 図画工作』(藤江充、辻政博共著、東洋館出版社) ・『図工室にいこう2』(監修:辻政博、編集:美術手帖編集部等、美術出版社) ・『図工室にいこう3』(監修:辻政博、鈴石弘之、編集:美術手帖編集部等、美術出版社) ・『子どもの発想力と創造力が輝く 絵画・版画指導』(監修:辻政博、ナツメ出版)
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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◯「ポートフォリオ」は、各自、写真等を印刷し、配布資料とともに、所定のスケッチブックに作成します。 ◯「ポートフォリオ」の作成は、コツコツと、授業を振り返りながら作成してください。 ◯授業で紹介した「展覧会」「児童作品展」「造形教育関係の施設」などに足を運び、鑑賞したり、見学したりするなど、造形教育への見聞を高めてください。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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◯児童の気持ちや視線をもって授業を体験するとともに、習得した知識や技能を自分なら教育活動にどのように活用するかイメージしながら受講してください。 ◯実技を中心とした授業です。のびのびと活動するために、汚れてもよい服装や材料、用具などの準備があることに留意してください。 ◯進度や理解等によって、進行内容を変更する場合がありますので、留意ください。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 ・オリエンテーション(授業の目的、内容、評価などについて)。 【第2回】 ・図画工作科の題材とその構造。「A表現(1)造形遊び」①(材料(場所)、操作を生かした造形活動)。 【第3回】 ・「A表現(1)造形遊び」②(身体感覚を生かした造形活動)。 【第4回】 ・「A表現(2)絵に表す」①(材料、操作から)。 【第5回】 ・「A表現(2)絵に表す」②(モダンテクニックを体験する。いろいろな技法で)。 【第6回】 ・「A表現(2)絵に表す(版表現)」③(木版による表現(1)彫刻刀の活用)。 【第7回】 ・「A表現(2)絵に表す(版表現)」④(木版による表現(2)彫り進み版画)。 【第8回】 ・「A表現(2)立体に表す」①(粘土を主材料に)。 【第9回】 ・「A表現(2)立体に表す」②(人工材や針金など。用具の安全な活用)。 【第10回】 ・「A表現(2)工作に表す」(板材を活用して表す。計画、製作)。 【第11回】 ・「B鑑賞(1)」(鑑賞と表現の一体化、カードを活用した鑑賞など)。 【第12回】 ・「題材を考える」(友人とかかわりながらグループで題材を検討し発表する)。 【第13回】 ・指導計画案の作成と発表。 【第14回】 ・個々の授業内容のまとめと「ポートフォリオ」作成 【第15回】 ・まとめ(授業の総括と「ポートフォリオ」の提出)。
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