Web Syllabus(講義概要)

平成27年度

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手話コミュニケーション入門 II 根本 友己
選択  2単位
【自己啓発】 15-1-1333-3773-02

1. 授業の内容(Course Description)

 手話は聴覚障害者にとっての言語であり、また魅力的なコミュニケーション手段である。手話を学んでいくことは聴覚障害者との会話を通した交流をするだけにとどまらず、自分自身の表現力、コミュニケーション能力を向上させていくと感じている人は多い。
 この授業では手話コミュニケーションⅠを学んだものに、継続して手話を学び日常で使われる手話表現を確実なものにしたり、表現の幅を広めたり、取り上げる会話の内容を増やすようにする。
 具体的には手話コミュニケーション入門Ⅰの復習とその技能に基づきながら、家族や近親者、友人との間での生活や体験を話題に手話で豊かに会話ができる内容となる。これを多くのビデオ教材を使い、演習的な方法も用いて表現が身に付くようにする。
 加えて授業の中では実技に関する事柄以外のものとして、手話そのものの関連知識や、聴覚障害に係る社会的、歴史的なことがらの基礎知識を得られる内容をとりあげ、聴覚障害の理解や聴覚障害者との共生についての姿勢を得られるようにする。

2.
授業の到達目標(Course Objectives)

 ①日常でかわされる簡単な会話を聴覚障害者と手話で行える技術を習得できるようになる。
 ②聴覚障害者の社会的、歴史的立場について、その基本的な部分を理解し共生社会に参加する姿勢が身に付く。
 ③聴覚障害学生への支援に参加しようとする姿勢を得る。

3.
成績評価方法(Grading Policy)

 学習内容の評価配分は手話技能70%、障害理解30%とし、評価する内容、方法として講義の区切りに行うミニテスト40%、期末テスト60%の割合で評価をする。
 出席が10回未満の者は単位認定しない。やむを得ない事情以外、遅刻早退は認めない(出席に数えない。)

4.
テキスト・参考文献(Textbooks)

 テキスト...『新・手話教室入門』(全国手話研修センター)手話コミュニケーションⅠで使用したものと同じ。随時プリント配布
 参考図書...授業の中で紹介(手話、聴覚障害関連)

5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)

 ①テキストを事前に読んでおくこと。紹介された図書を読解すること。
 ②授業で習った手話表現を再現できるように復習すること。
 ③テレビでの手話ニュース、手話の学習番組、聴覚障害関連の番組の積極的な視聴をすること。
 ④聴覚障害学生と交流の機会を持つこと。

6.
学生への要望・その他(Class Requirements)

 この授業は手話コミュニケーションⅠを学習したことを前提にしている。復習もするが、会話の初歩はⅠで学んでいることとして、授業を進める。テキストも手話コミュニケーションⅠで使用したものを随時継続して使用する。事前準備をしておいて戴きたい。
 手話の表現を見なければ学習が成立しないので、視線を講師やスライドに集中させることがないもの、私語をするものは授業に参加することを認めないこともある。

7.
授業の計画(Course Syllabus)

<実技の内容>は以下の回数の通り。
 実技教材はテキストの内容のDVDや動画と新規にその内容のバリエーションの映像等を使用し、進める。
【第1回】
 オリエンテーションと指文字、指数詞の復習 
【第2回】
 自己紹介1(名前、家族、趣味)
【第3回】
 自己紹介2(数を使った紹介、仕事、住所)
【第4回】
 自己紹介3(総合、まとめ)
【第5回】
 一日のことを話す。(時間の表し方、生活動作等)
【第6回】
 一週間、一カ月のことを話す。(予定、時の経過等)
【第7回】
 一年のことを話す。(季節、行事等)
【第8回】
 パーティ等の計画(計画を作る。疑問詞、質問等)
【第9回】
 旅行のことを話す。(簡単な質問と答える会話の発展)
【第10回】
 病院のことを話す。(いろいろな体の状況を伝える。)
【第11回】
 あしたの予定は?/食事に行こう。<誘う、誘われる>(強弱による気持ちの表し方、疑問詞)
【第12回】
 学校や保育所のことを尋ねる(話す)。(様子を尋ねる、知らせる)
【第13回】
 職場のことを話しましょう。(職場での会話の例を覚える、教育場面での手話の使用例)
【第14回】
 総合演習(入門編手話表現のまとめと今後の発展、表情豊かに、具体的に表現する)
【第15回】
 最終試験とまとめ
<講義の内容>に関しては以下に示した6点の講義の内容項目を2~14回までに単独、組み合わせて講義する。
(1)障害者福祉の基礎;障害の概念、ノーマライゼーションの理念等障害者福祉の概要を理解する。
(2)聴覚障害者活動と聴覚障害者福祉制度;聴覚障害者活動の歴史を学習
(3)ボランティア活動;ボランティア活動の概念、心構え理解し、手話奉仕活動への参加意欲を高める。
(4)「聴覚障害教育の歴史、現在、課題」
(5)その他、手話に関連した内容として
   「手話に関連するマナー、諸知識、語源等」、「学校現場における手話」
(6)聴覚障害学生の支援、また「ろう、難聴者」の生活に関連するテレビ等での報道内容で理解を深める。