Web Syllabus(講義概要)

平成27年度

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アジアにおける経済統合と共同体 II 加賀美 充洋
選択  2単位
【経営】 15-1-1110-1966-08A

1. 授業の内容(Course Description)

 東アジアにおいて統合の動きが活発化している。それはメガFTA(自由貿易協定)時代の到来と言ってもよい。ASEAN(東南アジア諸国連合)は2015年末を目途に「アセアン経済共同体(AEC)」を結成しようとしている。また、アセアン周辺国(日本、中国、韓国、インド、オーストラリア、ニュージーランド)は、アセアンとFTAをそれぞれ結んだので今やアセアンはアジア貿易の中心、ハブとして機能している。さらに現在FTA交渉が実際に進行しているものに「日中韓自由貿易協定」、アセアン10カ国に上記アセアン周辺6カ国を加えた16カ国による「東アジア地域包括的経済連携(RCEP)」や米国を中心として日本も加わった12カ国による「環太平洋経済連携協定(TPP)」がある。しかし2014年以降TPP交渉の遅延やインドの新政権による保護主義的傾向が現われそれらの実現可能性に懸念も出てきている。
 本講義では、こうした統合の内容・意義を考える前提として、まずアジアの実態を政治、経済、社会、文化等の側面から幅広く理解し、EUの経験をも学ぶ。その上でアジアにおける統合の動きを、アジア主要諸国(中国、韓国、インドネシア、インド、日本等)ならびに米国、EUはどのように見ているのか、またその実現可能性を議論する。なお、授業は各分野の内外の専門家が分担し、オムニバス形式で行う。

2.
授業の到達目標(Course Objectives)

 アジア地域について、政治、経済、社会、文化、歴史等を学び、相互理解を深める。さらに、AEC、RCEP、TPP等の経済統合構想を比較・吟味し、日本、アジアの現状と将来のあり方について、議論を深めることを目標とする。

3.
成績評価方法(Grading Policy)

 出席状況30%、授業中の積極性10%、授業内中間・期末テスト(必須)60%

4.
テキスト・参考文献(Textbooks)

 テキスト:廣田功・加賀美充洋(編)『東アジアにおける経済統合と共同体』日本経済評論社、
      2014年
 その他の参考文献は授業中に指示する。

5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)

 指定教科書を必ず読んで授業に出ること。
 新聞を毎日読み、アセアン諸国の動き、統合問題に関連する記事等に注意すること。

6.
学生への要望・その他(Class Requirements)

 授業に参加し積極的な質問・意見表明を歓迎する。
 通年での履修を薦める(春だけあるいは秋だけの履修は認めない)。

7.
授業の計画(Course Syllabus)

 秋学期(2単位)
【第1回】
 イントロダクション(長田博)9/15
【第2回】
 EUの現状と課題1(廣田功)9/29
【第3回】
 EUの現状と課題2(廣田功)10/6
【第4回】
 インドネシア経済の現状(長田博)10/13
【第5回】
 インドネシアからの統合への展望(長田博)10/20
【第6回】
 中国経済の現状(山本裕美、中央大)10/27
【第7回】
 中国からの統合への展望(山本裕美、中央大)11/10
【第8回】
 インド経済の現状、中間テスト(清水学、元帝京大)11/17
【第9回】
 インドからの統合への展望(清水学、元帝京大)11/24
【第10回】
 韓国経済の現状(奥田聡、亜細亜大)12/1
【第11回】
 韓国からの統合への展望(奥田聡、亜細亜大)12/8
【第12回】
 米国からの統合への展望(松井範惇)12/15
【第13回】
 日本からの統合への展望(若山昇)12/22
【第14回】
 経済統合の行方(加賀美充洋)1/5
【第15回】
 まとめ、期末テスト(加賀美充洋)1/12