1. |
授業の内容(Course Description) |
|
ミクロ経済学は、個人や企業の行動について考える学問です。そして、その行動によって、貴重な資源が効率的に配分されているかを考えます。具体的には、 ① 企業が利潤を追求する上でどれだけ製品を作るのか、消費者個人が自分の欲求に合わせてどれだけ消費を行うか、その行動原理を理解します。 ② 完全競争市場という特別なケースを想定した市場では、価格による調整で両者の欲求が一致した取引量が決まる時に効率的な資源配分が達成できることを示します。そして、 ③ ②の最適な資源配分が成り立たない「市場の失敗」が起きるケースについて考えます。 ミクロ経済学Ⅱは、この中の企業の行動原理・最適な資源配分・市場の失敗について学びます。また、講義を理解するためには、中学生レベルの数学の知識と、図表を読む力を必要とします。
|
2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
|
ミクロ経済学における企業の行動原理および、完全競争下の資源配分と市場の失敗について、図・数式を用いた理解を深める。
|
3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
|
期末試験(70%)、中間テスト(30%)に加えて、出席・発言を評価する。
|
4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
|
神取道宏『ミクロ経済学の力』日本評論社 これ以外に用いる文献は、講義内で紹介する。
|
5. |
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
|
予習・復習を欠かさないことが望ましい。
|
6. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
|
講義内容をスムーズに理解する上で、受講者は既にミクロ経済学Ⅰの単位を修得していることが望ましい。また、講義内の発言は、その内容が間違っていても評価に加える。積極的な講義への参加を希望する。
|
7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
|
【第1回】 イントロダクションとミクロ経済学の基礎 講義の内容を紹介し、ミクロ経済学における消費者の理論について学びます。 【第2回】 「どれだけ働いたら、どれだけ作れるか?」 生産関数と限界生産性の逓減 【第3回】 「最も儲けるには、どれだけ働くべきか?」 利潤と利潤最大化 【第4回】 「ものを作るために、どれだけ費用が必要か?」 総費用・可変費用・固定費用・限界費用・平均費用 【第5回】 「黒字と赤字を分ける時、事業から撤退する時」 損益分岐点と操業停止点 【第6回】 「価格が上がると何故生産量が増えるのか?」 供給曲線の導出と利潤最大化。 【第7回】 前半の復習 【第8回】 中間テスト 【第9回】 「利潤が最大になるように従業員と機械の量を調整する」 生産要素が2つの時の利潤最大化 【第10回】 「われわれ(消費者と企業)が最も幸せになる価格と取引量の組み合わせは?」 消費者余剰と生産者余剰 【第11回】 「企業の活動が社会に害を与えるときにどう対処するか?」 外部性による市場の失敗 【第12回】 「企業が1社しか存在しない時はどのように取引量と価格が決まるのか?」 独占企業 【第13回】 「ミクロ経済学で働く仕組みを理解する」 応用ミクロ経済学の例としての労働経済学 【第14回】 後半の復習 【第15回】 後期全体の復習
|