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授業の内容(Course Description) |
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近年,様々な分野で「戦略」というタームが利用されているように思われます.しかし,「戦略」あるいは「戦略的」というタームがなぜ付けられているのかが必ずしも定かでない場合もしばしば見受けられます.単なる流行に過ぎないのでしょうか? この特講では,「戦略」にいち早く取り組んできた経済学をロールモデルに,「戦略について再考」したいと考えています.特に観光経営学特講Ⅰでは,「戦略」の意味内容を明確にしていきたいと考えています.そのために,この特講では,企業の視点から,伝統的な「数量戦略」と「価格戦略」を先行研究にしたがってそれらのモデルを明確かつ平易に数値例を用いて説明したいと考えています.特に,この特講では,クールノー・モデルとベルトラン・モデルに焦点を当て,そのモデルの意味するものを再検討したいと考えています.というのは,競争相手との競争において生産量としての「数量」とその「価格」は,企業の経営や存続にとって極めて重要であると考えられるからです.
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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戦略とは何かが明確に理解可能になること,それによって,新たな戦略を考案することができるようになることの2点.
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成績評価方法(Grading Policy) |
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大学院ですから出席は当然のこととして,ディスカッションへの参加と課題のプレゼンテーション,そして期末のレポートにより評価するが,それらのウエイトは,ディスカッションへの参加を40%,課題のプレゼンテーションを30%,そして期末の課題に対するレポートを30%として評価します.
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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特にテキストは使用しないが,プリントを事前に配布する.また必要に応じて外国の文献等も紹介する.
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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事前学習と復習が必要.
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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研究するということの意味を考え,理解することが必要.
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 講義に当たっての諸注意と講義計画の説明 【第2回】 戦略の経済モデルの基礎としての消費者の購入意思と企業の販売意思とは 【第3回】 市場構造の詳細な説明 【第4回】 市場が競争的なケースの価格と取引量の決定 【第5回】 独占市場における価格と取引量の決定:独占企業が価格支配力を持つということの意味 【第6回】 寡占市場における価格と取引量の決定 【第7回】 独占的競争市場における価格と取引量の決定 【第8回】 寡占の特殊ケースとしての2企業のみが存在する場合:数量戦略と価格戦略 【第9回】 クールノーの数量戦略の説明:反応関数を用いた数値例 【第10回】 ベルトランの価格戦略:反応関数を用いた数値例 【第11回】 複占企業におけるベルトラン・モデルの帰結とその問題点 【第12回】 数量戦略と価格戦略の決定的な相違点とは? 【第13回】 ゲームの理論から2つのモデルを再考する 【第14回】 戦略とは何を意味するのか? 【第15回】 春学期のまとめとレポート課題の発表
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