Web Syllabus(講義概要)

平成27年度

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日本史籍講読3- III 深谷 幸治
選択必修  2単位
【史】 15-1-1340-1602-18A

1. 授業の内容(Course Description)

 この授業は、日本中世史の史料(文書・日記・文学作品など)を中心として、その前後の時期のものも含めた活字版史料を解読し、その意味を読み取り、必要語句について調査し、その全ての内容を報告発表するものである。進行方式は演習に准ずるものとし、聴講学生には数人ごとのグループを作り、そのグループごとに担当する史料を決め、調査・解釈の内容を報告するものとする。読みについては、学生全員の判読能力向上をはかるため、担当グループ以外の学生にも適宜指示して読んでもらう。
 日本中世とその前後の史料とは、それぞれの時代にいろいろな人物・集団が作成したもので、当然和風漢文・古文またはそれらが混交した文章で書かれている。またそれらの漢字は旧字体で書かれている場合が多い。聴講学生は、ある程度の旧字体の解読能力、および漢文・古文の基礎的知識を持っていることが解読の前提となる。それらの知識を確認するため、漢文法・古典文法などの必要部分の再学習をする時間を最初に数時間程度取る。前期に使用する史料は、古代中後期から中世中期頃までのものを対象とする。昨年度の事例では、今昔物語集・吾妻鏡・太平記などを読んだ。

2.
授業の到達目標(Course Objectives)

 実際に中世の人々が書いた史料つまり書状や文書・記録などを読み込むことによって、学生が当時の実態を知ると共に、その解読と調査・分析等の能力を高める。それによって、学生各自の専門演習での報告作成や卒論作成の際の、知識・技術両面での対応能力を向上させることを目標とする。

3.
成績評価方法(Grading Policy)

 出席は成績評価の前提となる必要条件である。それを満たした上で、前期授業時間の最後に実施する試験の解答内容を勘案して、成績を評価する。

4.
テキスト・参考文献(Textbooks)

 テキストは使用しない。解読の対象となる必要な史料は、担当教員が時間毎にプリントを作成して配布する。

5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)

 和風漢文・古文またそれらの混交文、そして漢字の旧字体が読解の対象なので、それらを読み解ける能力が必要である。そのためには普段から多くの歴史関係書籍や、古典文学などを読んでおくことが望ましい。また高校時代の漢文・古文の教科書などを取り寄せ、自主的に復習しておくことが必要。

6.
学生への要望・その他(Class Requirements)

 史料読みという、やがて専門演習参加や卒論作成の際に必ず必要となる作業に慣れていくため、学生には積極的な参加を期待したい。前期に少なくとも1回は報告することが義務となるので、そのときにはグループ別に解釈や時代背景などを説明したレジュメを用意してもらうことになる。初回のグループ分けには必ず出席すること。
 なお下の授業計画はあくまで予定であり、授業の進行具合によっては変更されることもあるので、承知置き願いたい。

7.
授業の計画(Course Syllabus)

【第1回】
 ガイダンス。史料解読・報告上の注意事項などを説明する。またグループ分けや担当史料の割り当てなどを行う。時間に余裕があれば、漢文法・古典文法の講義に入りたい。
【第2回】・【第3回】
 この2回ほどの時間を使って、漢文法・古典文法、また古文書学の一部などを講義・説明する。
【第4回】~【第14回】
 以下順次割り当てに従って、グループ別の報告発表。その後担当教員と報告学生、また聴講学生全員とで内容に関する議論、必要であれば教員による補足的説明。
【第15回】
 前期のまとめと試験。