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授業の内容(Course Description) |
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春期の現代英語概説Iに引き続き、英語についての理解を深める学問として、広く深い英語学により、英語に対する様々な理解の仕方を紹介していきます。英語の語彙の歴史・変化・多様性、英単語や英文の構造、意味論、コミュニケーション論、文章の情報構造、など。 たとえば、同じ語に様々な意味があるのはなぜか、似たような意味の語句がたくさんあるがどのように使い分けるか、askとrequest、fastとrapid、 roadとway、 dragとpullという全く形の違う語がなぜ類語で、どう使い分けるか、英語の決まり文句にはどのようなものか、ひとくちに「意味が反対」といっても実は数タイプあること、語彙はどのようにまとめることができるか、婉曲表現とは何か、英語には擬態語はあるか、clash, crash, crush, click, buzz 等にはどのような意味の広がりがあるか、日本語と英語にはどのようなずれがあるか、コミュニケーションの原理とは何か、会話表現で暗黙に意味されるものとは何か、英語の丁寧表現とは何か、日本語は英語と比べて省略が多いか、英語は文をどのようにつないでいくか、英語の論理と日本語の論理に違いはあるか、論理的な間違いとは何か、レトリックはなぜ使われるか、等。 特に、意味論(語彙体系、表現のパターンや意味のdynamics & network、日英語比較、談話の構造や解釈、語用論[言語運用論]など)は詳しく取り上げます。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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英語を、授業で扱う様々な知的な意味付けと豊富な例から、より深く正確に理解すること。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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少しずつの課題と、理解度チェックのテストで判断します。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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開講時に指示します。
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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スケジュールに沿って、予習・復習、課題の練習問題に、毎週、着実に取り組むこと。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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講義を静聴できない学生には向きません。 「入門」は、英語理解に関するいくつかの糸口を提示するものです。そこで把握したことを手段として、積極的に英語(および英語と日本語の対応)の理解に取り組んでほしいと思います。まじめに聴いて、分からないことがあったら遠慮なく質問に来てください。 教職にとっても重要な科目の一つです。また、教職を目指さない学生にとっても、「英語とは何か」「ことばとは何か」について真剣に考え、深く理解したい学生は、早い学年から(出来る限り1年次か2年次で)履修してほしいと思います。 「学ぼう」「理解しよう」という姿勢・態度が一番重要です。それがあれば、英語力も集中的に進歩するだろうと思います。虚心坦懐に実直に頭に入れれば今後の英語理解に大いに役に立つでしょうが、間違えていい加減に覚えると、有益な活用ができなくなると思います。 瞬間的な面白さというよりは、言葉はどのように成り立っているかをじっくり勉強することで、言葉をより深く普遍的に理解することに通じ、ゆっくりじっくり長期的に有益性と面白さが分かってくると思います。
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7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
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進捗状況により多少のずれや順番の入れ替えはあり得ます。 【第1回】 後期ガイダンス 【第2回】 ことばと意味 【第3回】 意味の拡張、メタファーとメトニミー、認知言語学 【第4回】 言語と社会、formal/informal、婉曲表現、political correctness 【第5回】 意味関係(同義性・類義性) 【第6回】 意味関係(反対語とは/意味の包含関係とは) 【第7回】 擬音語・擬態語、「ことばの意味」 【第8回】 ことばと文化 【第9回】 文の意味と文脈の意味(明示される意味と暗黙の意味)、情報構造 【第10回】 日英語比較 ことばに対する態度、 他動詞重視言語と自動詞重視言語 【第11回】 会話の英語1 談話と意味、会話の原理 【第12回】 会話の英語2 語用論、politeness 【第13回】 視点、表現の主観性/客観性、助動詞の意味論 【第14回】 英文の論理構成、ロジック、レトリック 【第15回】 まとめ
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