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授業の概要(ねらい) |
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この講義は大学での経済史学習の入門科目として、高等学校世界史の歴史分野と大学で学習する経済史の橋渡しをすることを第1の目標とする。そのうえで、時間の許す範囲で経済史全体に通じる基礎的な概念や理論の理解を深めてゆきたい。受講にあたっては「歴史」に対する興味さえあれば、予備知識は必要ない。 春学期の「経済史概論I」では、経済史を学習する場合の基本的な視点と、これまでに現れた経済史研究の種々の視角・方法論を学んだ後で、資本制社会に先行する社会の諸形態について、それぞれの社会の特質と「移行」の契機を概説する。なお秋学期の「経済史概論II」では「産業革命」以降の資本制社会の発展・変容を考えてゆく。春学期の受講者諸君にはぜひ秋学期にも継続して履修してもらいたい。
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2. |
授業の到達目標 |
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(1)経済史を学習することの意味を理解した上で、経済史分析のさまざまな方法の長短を知る。 (2)資本主義以前に現れた経済制度の特色を理解する。
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3. |
成績評価の方法および基準 |
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学期末試験の成績を基本とする。「出席管理システム」のデータにより、欠席3回以内は10点、5回以内は5点を学期末試験の点数に加点して評価を行う。
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4. |
教科書・参考書 |
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石川治夫 著 『経済史をやさしく学ぶ』 中央経済社 刊
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準備学修の内容 |
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授業終了後の「復習」が大切です。毎回授業終了時に範囲を指示するので、テキストのその日に学習した部分を読み返して、ストーリーを整理して頭に入れてください。このことによって成績のワン・ランクアップが期待できます。 時間の関係で授業では取り上げられない部分についてもテキストの該当箇所を指示します。次の授業までの間に必ずその部分を読んでおいてください。
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6. |
その他履修上の注意事項 |
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授業はテキストに沿って行うので、受講者は必ずテキストを購入してください。 時には少々専門的な「学説」の紹介に踏み込むこともありますが、出席してノートをとれば十分に内容が理解できるよう、解説はできるかぎり平易にするよう心がけるつもりです。授業は毎回、サブノート方式のプリントを配布して、講義を聴きながらその「空白部分」=重要項目を埋めてもらう形で進めてゆきます。 歴史の学習は諸事実の間にある「因果関係」をストーリーとして理解することが大切です。テキストには「言葉」で話したことが「文章」になって記述されているので、授業の後でテキストの該当箇所を読んで、因果関係をしっかりと頭に入れることで授業内容はよりよく理解できると思います。受講者は必ずこれを実行してください。私は授業が大好きなので、受講者諸君が次回の授業にも出席して講義を聴きたくなって教室に来てくれるように努力するつもりです。
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各回の授業内容 |
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【第1回】 |
ガイダンス |
【第2回】 |
序 経済史の課題① 1「経済史」の学び方 |
【第3回】 |
2「生産」をめぐって |
【第4回】 |
1 経済史分析の方法 1 経済史分析のさまざまな方法・視角 |
【第5回】 |
2 社会構成体論 |
【第6回】 |
2 資本主義以前の諸生産様式 1 共同体とその歴史的諸形態 |
【第7回】 |
2 原始社会 |
【第8回】 |
3 アジア的生産様式① (アジア的共同体の構造) |
【第9回】 |
アジア的生産様式② (古代専制国家と貢納制) |
【第10回】 |
4 古典古代的生産様式① (ポリスの興亡) |
【第11回】 |
古典古代的生産様式② (古代「奴隷制」) |
【第12回】 |
5 封建的生産様式① (封建制の基本的性質) |
【第13回】 |
封建的生産様式②(封建的共同体) |
【第14回】 |
封建的生産様式③(領主制の諸段階) |
【第15回】 |
前期のまとめと試験 |
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