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授業の概要(ねらい) |
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日本は今、国内外の急速な社会変化の最中にあります。国内では「少子高齢化社会の到来」と「安心・安全神話の崩壊」、海外からは「グローバリゼーションの進展」と「地球環境の悪化」です。日本社会が抱えるさまざまな問題を突き詰めていくと、必ずこれら4つ課題に向かい合うことになります。実は、そのことが日本固有の問題ではなく、先進国共通の問題であることに気が付きます。 グローバルなマネーマーケットの動きは実体経済に大きな影響を与えます。個々の企業が事業活動を進めていく上でも、そのことは例外ではありません。経済の担い手である企業社会で求められているのは、日々変化するマーケットの動きに敏感に対応できる思考力を持った人材です。そのためには、市場経済の中核となる証券市場についての基本的な知識を蓄え、現実の問題を冷徹に判断できるようになることが必要です。証券市場についての基礎的な知識、「フィナンシャルリテラシー」を高めることが本講座の目的です。 前期の授業では「証券市場の役割」にフォーカスします。具体的には、「米国の国内問題であるサブプライムローン問題が世界金融危機にまで拡大してしまった過程」を検証しながら「証券市場の役割」「証券会社の役割」「中央銀行の役割」「年金と証券市場の関係」などを学んでいきます。教材として、国内外のドキュメンタリー番組を収録したビデオを数多く活用しながら、講義を進めていきます。 さらに授業を通して学生自身が個々の事例を調べ、レポートを作成することで、将来必要とされるスキルを身につけることを目指します。数多くのレポートを作成することになります。授業に出席していないとフォローできなくなります。
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授業の到達目標 |
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学生がグローバリゼーションの本質やそれにともなう様々な課題を理解・認識できるようになること。その結果、日々のマーケットの動きに敏感になり、社会に出た後の仕事に役立てるようになる。また、学生自身で調べ解決策を考えられるようになること。
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3. |
成績評価の方法および基準 |
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(1)レポート提出(期中に7回程実施)の合計70% ※優秀なレポートは発表します。 (2)授業出席(15回)の合計30% ※最低10回以上出席すること。6回以上欠席の場合、理由の如何を問わず、自動的に履修不足とします。
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4. |
教科書・参考書 |
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・テキスト:講師作成の『ウェブ教材』 ・参考教材:『マンキュー経済学(マクロ編)』『パワーシフト(上・下)』『フラット化する世界(上・下)』『フリー』『誰のためのWTOか?』『プロフェッショナルの条件』『チョコレートの真実』
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5. |
準備学修の内容 |
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各授業終了後、レポート提出を数多く求められます。授業計画に掲載されている内容につき、普段からネットなどで情報を収集しておくこと。
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その他履修上の注意事項 |
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・日本経済新聞を毎日読む習慣をつけること。 ・東洋経済、プレジデント、日経ビジネス、ダイヤモンドなどの経済誌を読む習慣を身につけること。 ・「WBS」「カンブリア宮殿」「ガイアの夜明け」やドキュメンタリー番組を見る習慣を身につけること。 ・授業中講義の妨げになる行為(雑談・携帯電話)は一切認めません。
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各回の授業内容 |
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【第1回】 |
ガイダンス_リーマンショック |
【第2回】 |
市場の本質_信用の喪失 |
【第3回】 |
金融と証券化_リスクの視認性 |
【第4回】 |
市場経済の請負人_アメリカの投資銀行 |
【第5回】 |
中央銀行の役割_FRBと金融政策 |
【第6回】 |
金融工学とリスク_科学者と市場 |
【第7回】 |
少子高齢化社会と年金基金の運用_年金と株式 |
【第8回】 |
年金と市場_AIJ事件 |
【第9回】 |
政府債務と証券市場_日本の財政赤字 |
【第10回】 |
グローバリゼーションと税金_租税回避マネー |
【第11回】 |
基軸通貨とドル_ドルの黄昏_ドルの黄昏 |
【第12回】 |
日本経済とリーマンショック_円高の衝撃 |
【第13回】 |
戦後の日本経済(1)_戦後の高度経済成長 |
【第14回】 |
戦後の日本経済(2)_バブル経済から失われた20年へ |
【第15回】 |
経済危機_1929年世界恐慌 |
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