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授業の概要(ねらい) |
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激しく移り変わる今日のビジネス環境において、失敗を恐れず常に新しいことに果敢に挑戦するベンチャー企業が日本経済の成長と活性化の牽引役として注目を集めています。急成長イノベーション企業こそ、「創造的破壊」の担い手として、そして次世代の世界経済の原動力として期待されています。 この講義では、ベンチャー・ビジネスの基礎知識と起業家精神について学びながら、最近の様々な事例検討を通じて実践的なベンチャー企業の立ち上げおよび経営、新事業成功の戦略と必須スキルについて考察を重ね、ベンチャーマインドを養成していくことを目的とします。 特に、事業機会の探索からビジネスプランの策定、組織・人材マネジメント、資金調達およびベンチャーキャピタル、起業後の成長戦略まで、新規事業立ち上げのために必要なプロセスをステップバイステップで把握し、膨大なケーススタディが語るベンチャー企業成功の秘訣について様々な角度から一緒に考えて行きたいと思います。
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2. |
授業の到達目標 |
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① ベンチャー企業の概念とその位置づけについて理解し、一般の中小企業との相違点について説明できる。 ② 現代経済社会においてベンチャー企業が果たしている役割について説明できる。 ③ ベンチャー・ビジネスの歴史、実践と諸問題点について解釈できる。 ④ グローバル化や情報化の急速な進展、競争の激化、その他のビジネス環境の変化について評価し、それがベンチャー・ビジネスの業績と成功の方程式に与えている影響について判断できる。 ⑤ ベンチャー企業の戦略的経営に関して興味を持ち、それに対する自らの意見を述べることができる。 ⑥ 諸研究機関の調査結果やベンチャー企業白書を参照し、新規開業企業やベンチャー企業に対する政策的支援のあり方に関心を示す。 ⑦ 日経新聞などを読み解きながらベンチャー企業が抱える経営課題について自ら調べ、新規事業を起こすための手順と考え方や、新規事業開発にあたって検討すべき課題を把握し、起業家精神および実践的な能力を養成することを目標とします。
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成績評価の方法および基準 |
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総合評価の基準:出席(10%)+宿題(30%)+試験(60%) 試験:授業内で行う小テスト(期間中に2回、30%・30%の割合)、又は定期試験で評価します。受講者数により決定する。 出席:出席回数や授業態度も重視する。
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4. |
教科書・参考書 |
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視聴覚教材: パワーポイントを使用した講義を行う。毎回授業のあらましと資料を配付します。 教科書: 有用な参考文献は講義にて随時取り上げ紹介していきます。 参考書: J.A.ティモンズ(1997年)『ベンチャー創造の理論と戦略』ダイヤモンド社 W.バイグレイブ、A.ザカラキス(2009年)『アントレプレナーシップ』日経BP社 大前研一(2011年)『決定版!「ベンチャー起業」実戦教本』プレジデント社 忽那憲治(2011年)『ベンチャーキャピタルによる新産業創造』中央経済社 松田修一(2000年)『ベンチャー企業の経営と支援』日本経済新聞社
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5. |
準備学修の内容 |
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毎回、参考書の該当ページや講義ノートを読んで予習・復習し、ベンチャー企業やアントレプレナーシップに関連する新聞・テレビ等のニュースに目を通してほしい。
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6. |
その他履修上の注意事項 |
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授業内容に強い関心や情熱がある学生の参加を歓迎します。授業の中で意見交換やディスカッションを行うこともあるので、学生の積極的な参加を希望します。 この授業を受ける前に、「日本の産業構造」、「日本の中小企業」、「経営学総論」という科目を履修して置いた方が望ましい。
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7. |
各回の授業内容 |
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【第1回】 |
オリエンテーション:講義の目的と進め方などについての説明 |
【第2回】 |
急成長イノベーション企業の重要性 |
【第3回】 |
ベンチャー企業の成長ステージ別の経営課題 |
【第4回】 |
ベンチャーファイナンスの現状と問題点 |
【第5回】 |
ベンチャー企業の収益性、安全性、成長性 |
【第6回】 |
日米ベンチャーキャピタル投資の比較 |
【第7回】 |
日米ベンチャーキャピタル投資の現状 |
【第8回】 |
バイオベンチャー企業 |
【第9回】 |
大学発ベンチャー企業 |
【第10回】 |
ベンチャー企業の知的財産権と権利保護(I) |
【第11回】 |
ベンチャー企業の知的財産権と権利保護(II) |
【第12回】 |
ベンチャー企業経営とリスク |
【第13回】 |
ベンチャー企業の人材マネジメントと組織運営 |
【第14回】 |
日本における創業・ベンチャー企業への支援制度 |
【第15回】 |
講義のまとめ |
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