1. |
授業の概要(ねらい) |
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演習Ⅰに引き続き、ゲーム理論に関連した文献の輪読を通して、戦略的にものを考えるとはどういうことか、戦略的に考えることによってどのようなことがわかるのかを、可能な限り論理的に考えていく。
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2. |
授業の到達目標 |
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自らが周囲とどのような関係をもっているのかを正しく理解し、他者の行動を客観的に分析できる「ゲーム心」を涵養する。 ・不完全情報ゲームが与えられたときに、すべての部分ゲームを列挙し、部分ゲーム完全均衡を求められる ・投票ルールが与えられたときに、バックワードインダクションで戦略的投票行動を求められる ・将来にわたる利得列を割り引いて、繰り返しゲームのナッシュ均衡、部分ゲーム完全均衡を求められる ・完全情報の無限回繰り返しゲームにおけるフォーク定理を証明できる ・期待利得を計算して、混合戦略ナッシュ均衡を求められる ・二人ゼロ和ゲームにおけるナッシュ均衡とマクシミン戦略組の関係を直観的に説明できる ・エージェンシーの問題について、ゲーム理論の用語で説明できる
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3. |
成績評価の方法および基準 |
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発表・議論への積極的な参加状況などを加味して総合的に評価する。
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4. |
教科書・参考書 |
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・渡辺隆裕(2004)、『図解雑学ゲーム理論』、ナツメ社 ・渡辺隆裕(2007)、『書き込み式最強のゲーム理論ノート』、ナツメ社
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5. |
準備学修の内容 |
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授業時間内に解ききれなかった演習問題を、次回授業までに自力で解いておく努力をせよ。どうしてもわからなければ、教員なり他の受講者なりに質問して、わからないことを蓄積しないように努力してほしい。
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6. |
その他履修上の注意事項 |
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身近なできごとについて、戦略的思考ができているか、常に考えてほしい。他人のことについて客観的に分析することなく、自分の都合だけで予想して、その予想が外れてしまうということはあるか、あるとすれば、どのように予想すればそれが防げるのか、意識してほしい。
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7. |
各回の授業内容 |
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【第1回】 |
受講生の理解などにより進度・内容を変更することがある。 部分ゲーム |
【第2回】 |
循環多数決と戦略的投票 |
【第3回】 |
割引因子と交渉 |
【第4回】 |
有限回繰り返しゲーム |
【第5回】 |
無限回繰り返しゲーム |
【第6回】 |
フォーク定理 |
【第7回】 |
限定合理性と実験経済学 |
【第8回】 |
スポーツの戦略とゲーム理論 |
【第9回】 |
混合戦略均衡 |
【第10回】 |
マクシミン戦略とゼロ和ゲーム |
【第11回】 |
不完全情報ゲーム |
【第12回】 |
リスク回避と限界効用逓減 |
【第13回】 |
モラルハザード |
【第14回】 |
リスク回避とインセンティブ契約 |
【第15回】 |
プリンシパルとエージェントの理論 |
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