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授業の概要(ねらい) |
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本講義では、鈴木・大東・武田共著『ビジネスの歴史』に準拠しつつ、19世紀以降の欧米諸国及び日本におけるビジネスのあり方を概論します。秋学期は日米欧における大企業体制の形成以降の時期を対象とします。本講義は歴史の講義ではあるけれども、網羅的かつ微細な知識の提供を主たる目的とはしていません。むしろ、ビジネスのあり方における時代・地域に応じた多様性をそれを生み出した背景とともに知ることで、現在のビジネスのあり方を相対化し、将来の発展方向を予見する上で有効な考え方を修得することを目的としています。 それと同時に、履修者には、自分の手と足で主体的に企業の歴史を調査する経験を積んでもらいます。その成果は、学期末に長文のレポートとして提出してもらいます。
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2. |
授業の到達目標 |
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過去に行われていたビジネスや、今現在普及している経営管理手法の出現についての基礎的な知識を習得するのみならず、歴史を回顧することで「通念」にとらわれずに事実を検証する姿勢を修得すること、そして自らの力で企業の歴史を調査する力の獲得を目標としています。
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3. |
成績評価の方法および基準 |
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「講義内の小テスト(2回)」、「期末レポート」及び「平常点」を総合的に評価します。研究計画書と期末レポートの提出は必須とします。期末レポートは、講義中に教わった内容を単に整理するようなレポートではなく、受講生が関心をもつ企業・産業について独自に調査を行った成果の報告書となります。 【評価の目安】 研究計画書=10点、期末レポート=50点、小テスト=15点×2、平常点=10点
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4. |
教科書・参考書 |
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【主要な参考文献】 鈴木良隆・大東英祐・武田晴人『ビジネスの歴史』有斐閣、2004年。
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5. |
準備学修の内容 |
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本講義では、一学期あたり2回にわたり独自の調査を必要とするやや長文のレポートを課す予定です。従って、単位を取得する上では、図書館に日々通い、必要であれば学外の資料館や企業博物館などにも足を運ぶといった主体的な履修態度が必要とされます。
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6. |
その他履修上の注意事項 |
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本講義では独自研究を伴う期末レポートの提出を要請しています。私の担当している他講義と比較して、主体的に学ぶ姿勢をとりわけ求める講義となっています。安易に出席をするのみでは単位の修得は不可能です。独自の調査を行うことは未知の経験という履修者も多いでしょうが、MELICにも収蔵されている社史類を利用したり、各地の企業博物館を訪問してみてください。なお、調査テーマについての重複は、講義中になるべく調整をします。
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7. |
各回の授業内容 |
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【第1回】 |
※授業計画と講義内容は講義中に変更する可能性があります。 オリエンテーション+春学期優秀レポートの発表 |
【第2回】 |
「アメリカの大企業体制」 |
【第3回】 |
「新産業の誕生と先端技術開発」 |
【第4回】 |
「戦後ヨーロッパの大企業」 |
【第5回】 |
「金融センターの興亡」 |
【第6回】 |
「マーシャルの産業地域論と地域の興亡」 |
【第7回】 |
小テスト+研究計画の調整と指導 |
【第8回】 |
「日本の大企業(1)」 |
【第9回】 |
「日本の大企業(2)」 |
【第10回】 |
「戦後日本の政府・民間関係」 |
【第11回】 |
「消費の大衆化と企業」 |
【第12回】 |
「日本の大企業:その戦略と組織」 |
【第13回】 |
「ポスト大企業体制の時代」 |
【第14回】 |
「アジア企業と経営者企業論の相対化」 |
【第15回】 |
小テスト+期末レポートの提出 |
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