Web Syllabus(講義概要)

平成28年度

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イノベーション論 II 武田 基秀
選択必修  2単位
【経済】 16-1-1120-4092-02

1. 授業の概要(ねらい)

 第一に、イノベーションとは何かを、複雑な社会経済システムの成長の仕組みとして、前期に続きその本質を説明します。特に、グローバルリスクの問題解決というイノベーションの新たな使命について理解を深めます。
 第二に、世界の歴史に注目し、人間、組織、国家のそれぞれのレベルで、大きな変革が、なぜ、どのように起こり、どうなったか、について知識を深めます。また、学習の時間軸を人類の一万3千年の歴史から、直近では、日本の近代化150年、戦後70年等異なる観点でみて、上記の学習を行います。
 第三に、後期においては、イノベーション論で学習した知識を総合して、社会経済の問題解決として変革が必要な領域と、それを経営する技術を学習していきます。
 尚、領域として「金融のイノベーション」「社会経済組織のイノベーション」は、後期に講義をします。(知識・情報、エネルギー、医療・バイオ、自動車各領域は前期で講義)

2.
授業の到達目標

 ①イノベーションとは何かを、その本質的な仕組みの説明、映像記録視聴及び事例学習から、興味ある領域について具体的に理解し、説明できるようになること。
 ②自分で取り上げた分野のイノベーションにつき、過去の歴史を分析し、その理解をまとめ、説明できるようになること。
 ③これらの知識を持って、技術革新とその導入による功罪の側面をも理解し、問題解決のためのイノベーションにつながる事業創出を行う考え方を理解すること。

3.
成績評価の方法および基準

 授業で提示する課題に対するレポートの提出結果及び最終レポートによる試験(40%)。
 授業での発表・ディスカッションへの積極的な参加と貢献(30%)。
 出席等授業態度にみられるdiscipline(訳注:決められたことをそれが辛かろうが妥協せずに実行する強い姿勢・自制心・自己鍛錬)(30%)。
 これらを総合して評価する。

4.
教科書・参考書

 ○『銃・病原菌・鉄』(ジャレド・ダイアモンド著、草思社文庫)
 ○『化学の歴史』(アイザック・アシモフ著、ちくま学芸文庫)
 『イノベーションの世紀』シリーズ(一橋大学イノベーション研究センター、ビデオ)
 以下は参考書:
 『5アンペア生活をやってみた』(斉藤健一郎著、岩波ジュニア新書784)
 『How Google Works』(エリック・シュミット著、日本経済新聞出版社)
 『イノベーション・マネージメント入門』(一橋大学イノベーション研究センター編)
 『イノベーションのジレンマ』、『イノベーションへの解』及び『イノベーションの最終解』
  (クレイトン.M.クリステンセンの著作)

5.
準備学修の内容

 『銃・病原菌・鉄』(ジャレド・ダイアモンド著、草思社文庫)は授業のディスカッションで使用しますので、購読して下さい。人類の1万3千年のイノベーションの生成のメカニズムに関する興味深い著作物です。

6.
その他履修上の注意事項

 日本経済新聞を読み興味ある記事を見つけるようにしてください。文科系・理科系の意識にとらわれることなく、科学・技術にも大いに興味を持って、学習願います。

7.
各回の授業内容
【第1回】
イントロダクション
総論 複雑な社会経済システムの扱い方とイノベーション
【第2回】
イノベーションとはなにか / いろいろな時間軸による歴史分析
/ 日本の戦前・戦後150年の歴史総括
【第3回】
エレクトリックマネー / その発明と革新
金融市場の興隆 / 金融技術のイノベーションと課題と将来(1)
【第4回】
現場から 外部招聘その1:金融のイノベーション
【第5回】
金融市場の興隆 / 金融技術のイノベーションと課題と将来(2)
【第6回】
イノベーションと組織運営(会社編)(1)
【第7回】
イノベーションと組織運営(産業編)(2)
【第8回】
現場から 外部招聘その2:創業者精神とリアリティ
【第9回】
イノベーションと組織運営(国家と人)(3)
【第10回】
イノベーションの歴史と課題(文明編)
【第11回】
イノベーションと歴史と課題(経済発展編)
【第12回】
現場から 外部招聘その3:人間とイノベーション(脳科学の視点から)
【第13回】
イノベーションと歴史と課題(南北問題)
【第14回】
日本の産業の課題とイノベーション
【第15回】
イノベーション論 (まとめ)