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授業の概要(ねらい) |
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私たちは生きていくために必要な物のほとんどを契約によって手に入れなければならない。それは、現在の生活が自給自足経済ではなく社会的な分業によって営まれ、なんらかの形の財産取引を通じて動く仕組みになっているからである。そして、その財産取引は契約という法律手段によって行われる。具体例を挙げれば、私たちは食べ物や衣類やその他の生活必需品を購入し(売買契約)、住むための部屋を借り(賃貸借契約)、小遣いや生活費を得るために会社や店で働く(雇用契約または労働契約)。通学のためにバスに乗るのはバス会社との間の運送契約に基づく。LINEに繋がるにはプロバイダーとサービス提供契約を結ばなくてはならない。 本科目では、契約とは何かについての基本概念を学んだ後で、各種契約に共通する民法の一般的ルール(契約総則)を学ぶ。
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2. |
授業の到達目標 |
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①民法・債権法における契約法の位置づけ、契約に関する特別法についての基本的枠組みを理解する。 ②契約総則についての基礎知識を修得する。
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成績評価の方法および基準 |
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授業中に行う中間試験(40%)と期末試験(60%)の合計得点で評価する。
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教科書・参考書 |
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テキスト:潮見佳男『基本講義 債権各論Ⅰ 契約法・事務管理・不当利得 第2版』(新世社)。 すでに他の契約法のテキストを持っている学生は新たに購入する必要はない。詳しくは第1回目の授業時に説明する。
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準備学修の内容 |
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・予習としてテキストの該当部分を読んでくる。 ・授業時間内に配布するレジュメを使って復習する。
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その他履修上の注意事項 |
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・契約総論は民法の必修科目であり、契約社会で生きていく上で必要な法知識を積極的に身につけてほしい。 ・契約法はカリキュラム上、必修科目としての総論と選択科目としての各論に分けて履修することになっているが、両方を受講しないと契約法を理解できない。必ず、契約各論も履修してほしい。
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7. |
各回の授業内容 |
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【第1回】 |
ガイダンス:試験方法、成績評価など重要な項目について説明するので必ず出席すること。 契約と契約法 |
【第2回】 |
契約自由の原則とその修正、契約プロセス |
【第3回】 |
双務契約の構造 |
【第4回】 |
契約の成立(1)意思表示 |
【第5回】 |
契約の成立(2)申込と承諾 |
【第6回】 |
契約と信義則 |
【第7回】 |
中間試験 |
【第8回】 |
双務契約の効力(1)原始的不能 |
【第9回】 |
双務契約の効力(2)同時履行の抗弁権 |
【第10回】 |
双務契約の効力(3)危険負担 |
【第11回】 |
第三者のためにする契約 |
【第12回】 |
解除(1)約定解除と法定解除、解除に類似する他の制度 |
【第13回】 |
解除(2)法定解除権の発生 |
【第14回】 |
解除(3)法定解除の効果 |
【第15回】 |
まとめと試験 |
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