Web Syllabus(講義概要)

平成28年度

ひとつ前のページへ戻る 教授名で検索

 
変化する社会と教職の専門性 向山 行雄
必修  2単位
【教職大学院】 16-1-1331-1957-15

1. 授業の概要(ねらい)

 授業は、複数の教員によるティーム・ティーチングの形態で行う。
 現代の社会における学校生活の位置づけを理解し、教員に求められる使命や専門性、研修のあり方・方法などを究明し、教職の意義をふまえ、充実した学校生活を協働で運営していく力とコーディネート力の育成を目指す。
 教員の服務について、法令及びゲストスピーカーからの講義などを基に、現実に即した授業を行う。その理解を基に、教員に求められる使命や専門性について考察を深め、それらを身につけるための研修のあり方、研修方法を、コミュニケーションの手法については、ロールプレイなどを取り入れて学び、企画・立案・運営できる能力の習得を図っていく。

2.
授業の到達目標

 <A類学生>
  ・法令にもとづく教員の服務を理解し、それを分かりやすく説明したり、実践したりできる。
  ・今日求められている教員像や専門性について究明・理解し、自己の資質能力の向上に取り組むことができる。
  ・信頼される学級経営・学校運営を支えるために、教員として必要なコミュニケーション能力を身につけることができる。
 <B1類学生>
  ・法令にもとづく教員の服務を理解し、それを適切に実践するとともに、他の教員に助言できる。
  ・自己の授業実践や学校の課題を客観的に省察し、改善策を提案するとともに、研修等の計画を企画・立案・説明する力や、メンターティーチャーとしての他の教員を指導する力を付けることができる。
  ・信頼される学級経営・学校運営を支えるために、教員として必要なコミュニケーション能力を身につけ、他の教員にも助言できる。
 <B2類学生>
  ・法令にもとづく教員の服務を理解し、それを適切に実践するとともに、服務事故の未然防止策を計画した入り、指導助言したりすることができる。
  ・自己の授業実践や学校の課題を客観的に省察するとともに、人事考課制度や総合的な研修体系、OJT等について理解を深め、教員の資質能力向上に向けた指導助言を行うことができる。
  ・教員として必要なコミュニケーションの場や能力を整理し、自らもその能力を身につけるとともに、コミュニケーション能力向上のための取り組みを指導助言することができる。

3.
成績評価の方法および基準

 授業での報告を準備する取り組み(関心、意欲)、研究リポートの内容・レベル、プレゼンテーションのレベル、発展的な議論への貢献度等により、総合的に評価する。

4.
教科書・参考書

 テキスト
  特定のテキストは使用しない。
 参考書
  日本教育経営学会・編『教員の専門性と教育経営』(第一法規)
  今津幸次郎・著『変動社会の教師教育』(名古屋大学出版会)
  その他個別のテーマについての参考書は、適宜紹介する。

5.
準備学修の内容

 在籍校・実習校における教育活動や校長、副校長、教員の職務内容・職責について、継続的に観察・記録しておくこと。

6.
その他履修上の注意事項

 研究リポートの作成ほか、プレゼンテーションやディスカッションへの積極的な参加を期待する。
 教職の使命や専門性を多面的に考察するため、上記の参考文献はぜひ読んでほしい。

7.
各回の授業内容
【第1回】
教員の社会的使命
教員にはどのような社会的使命があるか、また、教員は自己の社会的使命を果たすために、どのようなことに取り組んでいけばいいか、自己の経験や法令を基に考える。
【第2回】
教員の社会的使命と服務①
教員の服務のあり方について、講義および法令を基に理解し、わかりやすく説明する。
【第3回】
教員の社会的使命と服務②
教員の服務事故の現状や課題などについて、事例を基に議論する。
【第4回】
教員に求められる専門性①
教育の原点(児童生徒として、教師として)を振り返り、教員の職務内容や求められ専門性について、議論する。
【第5回】
教員に求められる専門性②
分析した職務内容を基に、教員にはどのような専門性が求められるか検討する。
・A類学生は(若手教員)、B1類学生(学校の中核的教員)B2類学生(指導行政)という立場から、それぞれ求められる専門性を考察し、それをもとに議論を行う。
【第6回】
教員に求められる専門性③
国内外の基本文献を購読し、教職の専門性について自己の考えをまとめ発表する。
【第7回】
コミュニケーションの手法①
・対児童生徒、保護者、同僚、上司、地域社会との関係から教員に必要なコミュニケーションのあり方や新人教員への助言について考察する。
・A類学生は、対児童生徒、保護者、同僚、上司、地域社会との関係から教員に必要なコミュニケーション能力を考察する。
・B1類学生、B2類学生は、教員に必要なコミュニケーション能力を検討するとともに、コミュニケーション不足に起因する問題を取り上げて考察する。
【第8回】
コミュニケーションの手法②
児童生徒を対象とした多様なコミュニケーションの方法を学び、演習を通じてその手法を身に付ける。
【第9回】
コミュニケーションの手法③
保護者、地域住民、同僚などを対象とした多様なコミュニケーションの方法を学び、演習を通じてその手法を身に付ける。
【第10回】
コミュニケーションの手法④
・信頼される学級経営、学校経営の観点から、保護者、地域住民とのコミュニケーションづくりの場や方法を検討し提案する。
・A類学生は、保護者と信頼関係を作り、安定的に学級経営をすすめていくことを視点として、コミュニケーションづくりの場や方法を検討し提案する。
・B1・B2類学生は、学校の中核的な教員として、また副校長や指導主事として、教員や保護者、地域住民とのコミュニケーション作りの場を検討し、提案する。
【第11回】
教員研修の目的と内容
国や教育委員会が法令に基づいて実施する研修や自主的に実施する研修の目的や内容を体系的に整理し、教員の役割や専門性との観点から考察を加える。
【第12回】
教員研修の目的と内容
OJTによる校内研修会の方法を知り、グループごとに研修テーマを決め、研修会を企画する。
【第13回】
教員研修会の企画と実際①
若手教員の育成を目指して、OJTによる校内研修などを企画・提案し、模擬的に実施することを通して、校内研修を運営・リードする手法を身に付ける。
【第14回】
教員研修会の企画と実際②
キャリアプランの作成や教育委員会等における教員研修等を企画・提案し、模擬的に実施することを通して、校内研修を運営する手法を身に付ける。
A類学生は、自己の課題に基づいてキャリアプランの作成を行う。B1類学生は、研修を提案し模擬的に実施する。B2類学生は研修の在り方や改善点についての指導助言の内容を検討する。
【第15回】
変化する社会と教職の専門性
教員の社旗的使命や服務、教員の専門性、専門性を高めるための研修等、これまで学んだ内容を基に「変化する社会と教職の専門性」をテーマにパネルデイスカッションを行う。