Web Syllabus(講義概要)

平成28年度

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保育内容総論 和田 秀一
選択  2単位
【こども教育】 16-1-1333-3800-01

1. 授業の概要(ねらい)

 学生が今後子どもに触れていく保育の入門期と考えてまず保育というものの全体像を知り、幼稚園などの児童施設を含めて広く保育所の存在に慣れ親しむためのガイダンスを行います。次に子ども理解の視点から、子どもの人権の理解を基盤に、実習でも応用のきく基礎的な子ども理解を進めていきたいと思います。
 また基礎的な生理学にも触れ、健康であることの概念などを理解しながら、子どもの成長発達段階にそって子ども理解を進めます。
 そのために学生が理解しやすいように、なるべく具体的な事例を取り上げながら、体だけでなく、子どもの心の内面を中心に子どもの成長を見てゆき、ひととの関わりの大切さを学んでいきます。
 また、保育所の生活を中心に子ども集団、子どもの生活面でのあり方や配慮点などを学んでいきます。それらを通しながら子どもの活動や言語および表現などの領域についても学んでいきます。
 子どもの生活の中心といえる「遊び」については、学生自身の子ども時代の遊びを振り返りながら、学生相互に刺激しあうためにグループディスカッションの形で授業を進め、子どもの成長にとって「遊び」がいかに重要かについてを学んでほしいと思います。さらに遊びのワークショップも行います。
 後半にはより一層子ども理解を深めるために、保育指針などにも触れながら、改めて子どもの事例を通して、子どもの見方、関わり方、保育の営みという行為の意味などについて触れます。そのことによって、学生が、自分なりの子どもへのイメージを作り、子どもに関わることへの関心や意欲が培われれば良いと考えます。

2.
授業の到達目標

 先々実習などで実際に子どもたちに関わっていく際に、その手助けとなるような、保育概念の基礎的な理解、子ども理解への幅広さと柔軟性を身につけてもらえたらと思います。なによりも、次に学んでいく保育諸学と保育実践への意欲的な関心を自分の中に育ててくれることが大きな目標です。具体的には①年齢別発達段階を知る②子どもの心の発達段階を理解する③子どもの人権への理解を深める④保育者としてのモラルを学ぶ⑤保育実践への意欲を培う⑥子ども理解のために学生が広い教養を身につけ、子どもの前に立っても恥ずかしくない良識的人格を育てていく⑦保育者は様々なことを学んでいくべき存在であることを理解する

3.
成績評価の方法および基準

 授業中の態度は保育者となる学生には大切なので、全体の30パーセントを評価し、コメントシートで20パーセントを残り50パーセントを前期の後半期のレポートで評価します。なおレポート点が基準に満たない場合、再度レポートの提出とします。

4.
教科書・参考書

 参考文献は随時学生に提示しますが、授業には毎回私がプリントを用意します。
 参考文献として提示する予定のもの:・『自立への旅だち』高橋恵子 岩波書店/・『対話的保育カリキュラム上・下』加藤繁美 ひとなる書房/・『共感』佐伯胖 ミネルバ書房/・『驚きの介護民俗学』六車由美 医学書院/・『保育者が基礎から学ぶ乳児の発達』丸山美和子 かもがわ出版/・『0歳児がことばを獲得するとき』正高信男 中公新書/・『保育所保育指針解説書』厚生労働省編/・『発達心理学』岩田純一他 有斐閣等/・『心を感じる、自然を感じる』遠山洋一 筒井書房/・『子どもの権利条約を読み解く』大田尭 岩波書店/・『おばあさんの引出し』佐橋慶女 文藝春秋

5.
準備学修の内容

 授業の中で、絵本について取り上げますので、自分に影響を与えた絵本、感動したもの、思い出深いものを用意しておいてください。絵本についてはなるべく全員に読み聞かせをやってほしいと考えています。
 その他にも宿題が出されたら、その都度しっかり取り組んでください。

6.
その他履修上の注意事項

 絵本は全員に読み聞かせをやってもらいます。それなりの緊張感を持って授業を受けてください。
 先生から一方的に話を聞くだけでなく、自分で考えて、自分なりの意見を持ち、質問を心掛けてください。
 みんなの前で意見を言うのは恥ずかしいと考えずに、むしろ自分自身を客観的に見たり、自分を知ったりする良い機会だと考えてください。
 授業中の私語は厳禁です。受講する他の学生の迷惑になることを考えてください。
 私語の止まない学生は、他者への良識的配慮というべき保育者の基本的な資質をもちにくいと考えられます。

7.
各回の授業内容
【第1回】
オリエンテーション:授業の進め方
【第2回】
保育および保育所などの概要について知る:スライド用意の予定
【第3回】
子どもについて知る① 乳児期:誕生から1歳3か月まで
【第4回】
子どもの生活の理解  乳児期:誕生から1歳3か月まで
【第5回】
子どもについて知る② 前幼児期:満3歳まで
【第6回】
子どもの生活の理解  前幼児期:満3歳まで
【第7回】
子どもについて知る③ 幼児期:3歳から6歳まで
【第8回】
子どもの生活の理解  幼児期:3歳から6歳まで
【第9回】
子どもと遊び ①:グループディスカッション
【第10回】
子どもと遊び ②:グループディスカッション
【第11回】
子どもと遊び ③:ワークショップ(鬼ごっこなど実技演習)
※以下第12回からは「子ども理解と保育」のテーマで、子どもと絵本、子どものケンカ、3歳児をモデルに子どもの生活などについて取り上げていく予定です。VDやDVDを授業で取り上げます。
【第12回】
子ども理解と保育 Ⅰ
【第13回】
子ども理解と保育 Ⅱ
【第14回】
子ども理解と保育 Ⅲ
【第15回】
子ども理解と保育 Ⅳ