Web Syllabus(講義概要)

平成28年度

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日本教育史 佐藤 高樹
選択必修  2単位
【教育文化】 16-1-1334-1849-09

1. 授業の概要(ねらい)

 本科目は〈教育の歴史〉という視座から、日本の社会的・文化的特色を理解することを目的とする。〈教育〉は、社会や歴史によって大きく影響を受ける事象である一方、社会や歴史に働きかけて時代を切り拓く意図的試みでもある。その時代の社会的・文化的状況、そして、その時代に生きた人々の意識や行動の背景を知るうえで、〈教育〉は有効な視座として機能する。
 本授業ではとくに近現代の教育史に焦点を当て、各時期を象徴する教育の制度や実践、慣行等について取り上げることで、これまでに学んできた歴史へのさらなる肉付けを行い、受講生の歴史認識の充実化をはかっていく。

2.
授業の到達目標

 (1) 各時代における教育事象の歴史的特質について、自分なりの補助線をひきながら理解、表現することができる。
 (2) 学校教育などに関わる各事象の史的展開、そしてそこに生きた自分や家族の歴史を、大きな歴史の流れの中に位置づけることができる。

3.
成績評価の方法および基準

 授業参加度~毎回のリアクション・ペーパーの提出状況、発言・発表~(70%)、およびレポート・プレゼンの成績(30%)から総合的に判断する。

4.
教科書・参考書

 テキスト:木村元『学校の戦後史』岩波新書、2015年。
 参考文献:山田恵吾編著『日本の教育文化史を学ぶ―時代・生活・学校―』ミネルヴァ書房、2014年。
 ※その他、授業中に適宜指示する。

5.
準備学修の内容

 (1) 指定のテキストを各自読み進め、不明な点、もっと知りたい箇所などをチェックしておくこと。リアクション・ペーパーや授業を活用して、積極的に担当教員に質問してほしい。
 (2) キャンパス所在地である「八王子の教育の歴史」、あるいは「自分の出身地の教育の歴史」について各自調べ学習をし、主体的に授業内容の理解を深めること。大学や近隣の図書館における関連自治体史、学校史の所蔵を確認しておく(それを調べる作業を課す予定である)。

6.
その他履修上の注意事項

 (1) “自分にとって教育の歴史を学ぶ意味とは何か”、“自分の住む地域・出身地域にはどんな独自の教育の歴史があるのか”など、自分なりの問題意識を持って受講すること。
 (2) リアクション・ペーパー、レポートなど課題の提出が頻繁に求められるほか、内容によって、事前学習(反転授業形式)を求めることがある。学生には主体的に参加する姿勢が求められる。

7.
各回の授業内容
【第1回】
イントロダクション―教育の歴史を学ぶ意味―
【第2回】
歴史を身近に感じるには(1)―教育史研究のきっかけを探る―
【第3回】
歴史を身近に感じるには(2)―歴史教育と歴史研究をつなぐ―
【第4回】
日本における「学校」の成立と受容(1)―近世から近代へ―
【第5回】
日本における「学校」の成立と受容(2)―近代学校制度の構造と史的展開―
【第6回】
日本における「学校」の成立と受容(3)―カリキュラム・学校文化―
【第7回】
中間まとめ・補足ー戦前日本の教育史をふりかえる―
【第8回】
戦後教育改革(1)―新たな学制の構築―
【第9回】
戦後教育改革(2)―教育実践・さまざまな課題―
【第10回】
経済成長と教育
【第11回】
学校化社会の成立と展開
【第12回】
変貌する子どもの生活と学校文化
【第13回】
学校の基盤の動揺―自由化・多様化の中の教育―
【第14回】
まとめの議論(1)―課題の提出とプレゼン―
【第15回】
まとめの議論(2)―課題の提出とプレゼン
(続)―
(※受講者の関心に応じて、内容を柔軟に変更することがある。)