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授業の概要(ねらい) |
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1)日本の中世社会を理解する上で、武士政権の成立過程の特質を究明することは必須の課題である。しかし、この課題は、ともすると鎌倉幕府成立史観に陥ってしまう危険性がある。そこで本講義では、鎌倉政権成立期の東国社会、東国武士団に焦点をあてて、鎌倉政権との関係について講義する。 2)武家政権成立史に関する諸史料の特質についても理解を深める。 3)講義内容を深めるため、基礎的な史料を用いるが、その読解を受講生にもとめることもある。
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2. |
授業の到達目標 |
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1)武家政権成立史・当該期の東国社会・東国武士団に関する基本的なテーマの基礎的な知識の習得を目指す。 2)対立する諸説を理解するとともに、それらの依拠する史料とその解釈の内容を理解する。 3)諸説と基本史料を知ることを通じて、武家政権に関する研究課題についても理解する。 4)中世前期の諸史料を読み解く能力を習得する。
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3. |
成績評価の方法および基準 |
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1)出席を重視する。 2)中間テストと期末にテストの成績を勘案して評価する。
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4. |
教科書・参考書 |
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1)テキストはない。 2)参考文献としては、木村茂光『初期鎌倉政権の政治史』(同成社)、野口実『源氏と坂東武士』(吉川弘文館)を挙げておく。
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5. |
準備学修の内容 |
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講義は、平泉政権という高校の教科書では十分扱われないテーマを取り上げるので、関係図書を読んで基礎知識を習得しておくことが望ましい。また、テーマも1回ごとに変わるので、しっかりと復習しておくこと。
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その他履修上の注意事項 |
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1)日本中世史に関する基礎的な知識を習得していること。 2)日本中世史を専攻しようと考えている学生は必ず受講すること。
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7. |
各回の授業内容 |
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【第1回】 |
講義の内容、講義の進め方、などに関するガイダンス |
【第2回】 |
都市鎌倉の成立について |
【第3回】 |
12Cの北関東 |
【第4回】 |
大蔵合戦 |
【第5回】 |
保元・平治の乱と東国武士団 |
【第6回】 |
流人源頼朝の周辺 |
【第7回】 |
頼朝の挙兵と東国武士団 |
【第8回】 |
中間のまとめとテスト |
【第9回】 |
富士川の合戦 |
【第10回】 |
金砂合戦 |
【第11回】 |
奥州藤原氏の政権 |
【第12回】 |
奥州合戦 |
【第13回】 |
富士の巻狩 |
【第14回】 |
建久6年の頼朝上洛 |
【第15回】 |
まとめとテスト |
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