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授業の概要(ねらい) |
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私たち日本人は、たえず海外から流入する異文化に応接しながら、自国の文化をうみだしてきました。世界史のグローバル化の潮流にみまわれた明治以降は、とくに英米の影響が顕著です。多くの作家は英語文献を通して海外の最新情報を入手しました。一方、浮世絵や俳句、黒澤・小津映画、宮崎アニメ、村上春樹の小説などは海外でも広く知られています。このセミナーでは、文化相互の影響関係を、一種の〈翻訳〉と考え、海外(とくに英米)からの影響が日本文化にどのように反映され、またどう変化するかを、実例に基づいて検証・考察します。今年度は、日本の子どもたちにも大変親しまれている「イソップ寓話」をメイン教材に取り上げます。イソップ寓話は古代ギリシアに由来しますが、江戸時代以前にすでに日本に入っていて翻訳出版されています。明治時代になると、英語からの翻訳などを通して国民の間に広く普及しました。たとえば「ウサギとカメ」は、教科書に載ったり、唱歌になったりしています。今学期の授業では、数あるイソップ寓話の物語に日本語と英語で親しみ、自由に話し合うことを通して、人生の知恵を学びとることを目標とします。最初にイソップ寓話の成り立ちや特色などをレクチャーしますが、授業は、主として参加者の発表とディスカッションによって進めます。
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授業の到達目標 |
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1.イソップ寓話の成り立ちや特色を説明できる。 2.英語と日本語で教材(作品)内容を把握できる。 3.教材(作品)内容をきちんと要約・発表できる。 4.教材(作品)について、自分の意見・解釈を発表できる。 5.他人の意見・解釈を踏まえて、自分の意見・解釈を再検討できる。 6.教材(イソップ寓話)から自分が学んだものを文章にまとめることができる。
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成績評価の方法および基準 |
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1.全15回の授業中10回以上の出席を成績評価のための必要最低条件とします。出席はカードリーダーの記録となります。 2.成績評価は、平常点(毎回の予習と授業内提出物、ならびに授業態度)50%、発表(プレゼンテーション)25%、レポート25%
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教科書・参考書 |
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テキストは指定しません。配布教材を使用します。参考文献として『イソップ寓話集』(岩波文庫)など。
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準備学修の内容 |
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1.教材の文章を(日本語と英語で)通読する。 2.語句(の意味・読み方)を調べて書く。 3.要約文を作成する。 4.要点・疑問点を箇条書きする。
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その他履修上の注意事項 |
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1.オリエンテーションを含む第1回目の授業は重要です。必ず第1回目の授業から出席してください。 2.出席は「完全カードリーダー制」です。入室時と退室時に学生証をカードリーダーに当てて読み取らせてください。 3.学生証忘れや学生証の当て忘れにはくれぐれも注意してください。 4.忌引きを含む公欠については、指定の手続きをした場合に限り、通常の出席として認定します。 5.開始時刻から10分を過ぎた入室は遅刻になります。遅刻は3回ごとに欠席1回としてカウントします。 6.交通機関の遅延などの不可抗力による遅刻については、授業時にその旨を申し出た上で、指定の手続きをした場合に限り、通常の出席として認定します。 7.状況により、座席を指定する場合があります。
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各回の授業内容 |
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【第1回】 |
オリエンテーション/イソップ寓話の成り立ちと特色 |
【第2回】 |
「すっぱいブドウ」にもとづく発表(教員による発表例)とディスカッション |
【第3回】 |
「北風と太陽」にもとづく発表とディスカッション |
【第4回】 |
「イヌと肉」にもとづく発表とディスカッション |
【第5回】 |
「ほらふき男」にもとづく発表とディスカッション |
【第6回】 |
「旅人と熊」にもとづく発表とディスカッション |
【第7回】 |
「嘘をつく子ども」にもとづく発表とディスカッション |
【第8回】 |
セメスター前半のまとめ/レポートの作成方法・注意点 |
【第9回】 |
「エチオピア人」にもとづく発表とディスカッション |
【第10回】 |
「ネズミの恩返し」にもとづく発表とディスカッション |
【第11回】 |
「カニの母子」にもとづく発表とディスカッション |
【第12回】 |
「田舎のネズミと町のネズミ」にもとづく発表とディスカッション |
【第13回】 |
「オオカミと子ヒツジ」にもとづく発表とディスカッション |
【第14回】 |
「農夫とその息子たち」にもとづく発表とディスカッション |
【第15回】 |
セメスターのまとめ/テストとしてのレポート作成 |
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