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授業の概要(ねらい) |
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本授業は哲学入門の授業です。具体的には、18世紀ドイツの哲学者、イマヌエル・カント(Immanuel Kant, 1724-1804)の著書『人倫の形而上学の基礎づけ』(Grundlegung zur Metaphysik der Sitten, 1785)を日本語で読みます。この著書は道徳哲学史上の古典のひとつであり、その中では「無条件で善いといえるものは何か」、「あらゆる人間にとって規範となりうる道徳法則とはどのようなものか」、「ひとは他人に対してどのように行為すべきか」といった重要な哲学的・道徳的問題が論じられます。カントの議論を頼りにしながらこれらの問題に取り組むことによって、受講者は哲学的な考え方の基礎を身に付けます。前期は上掲書の序言と第1章「通常の道徳的理性認識から哲学的な道徳的理性認識へ」を、ゆっくり、じっくり、精読します。
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2. |
授業の到達目標 |
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①十分な準備をしたうえで授業に臨むことができる。 (具体的な内容は下記の「5.準備学習」をご覧ください。) ②テキストの内容を整理して他人に説明することができる。 ③授業中に積極的に発言・質問・回答することができる。 ④授業内容に対して自分なりの興味・関心を示すことができる。 ⑤参考文献の内容を要約することができる。
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3. |
成績評価の方法および基準 |
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①準備学習:20点(到達目標①に対応) ②内容解説:20点(到達目標②に対応) ③授業態度:20点(到達目標③に対応) ④リアクションペーパー:20点(到達目標④に対応) ⑤レポート:20点(到達目標⑤に対応)
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4. |
教科書・参考書 |
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テキスト:カント(著)、土岐・観山・野田(訳)、『プロレゴーメナ 人倫の形而上学の基礎づけ』(中公クラシックスW42)、中央公論新社、2005年。 参考文献:『縮刷版 カント事典』、弘文堂、2014年。 その他については、授業中に適宜紹介します。
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5. |
準備学修の内容 |
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①キーワードの意味を調べる。 ②テキストの内容を整理して説明できるようにする。 ③分からなかったこと・質問したいことを書き留めておく。
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6. |
その他履修上の注意事項 |
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この授業が対象とするのは、はじめて哲学書を読む人たちです。哲学に興味を持っている人たちはもちろんのこと、「哲学ってどんな学問なんだろう」「哲学ってなんか難しそう」と思っている人たちもぜひ参加してください。
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7. |
各回の授業内容 |
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【第1回】 |
イントロダクション |
【第2回】 |
『人倫の形而上学の基礎づけ』序言、第1段落~第5段落 |
【第3回】 |
『人倫の形而上学の基礎づけ』序言、第6段落~第10段落 |
【第4回】 |
『人倫の形而上学の基礎づけ』序言、第11段落~第14段落 |
【第5回】 |
リアクションペーパー作成 |
【第6回】 |
『人倫の形而上学の基礎づけ』第1章、第1段落~第3段落 |
【第7回】 |
『人倫の形而上学の基礎づけ』第1章、第4段落~第7段落 |
【第8回】 |
『人倫の形而上学の基礎づけ』第1章、第8段落~第9段落 |
【第9回】 |
『人倫の形而上学の基礎づけ』第1章、第10段落~第13段落 |
【第10回】 |
リアクションペーパー作成 |
【第11回】 |
『人倫の形而上学の基礎づけ』第1章、第14段落~第15段落 |
【第12回】 |
『人倫の形而上学の基礎づけ』第1章、第16段落~第17段落 |
【第13回】 |
『人倫の形而上学の基礎づけ』第1章、第18段落~第19段落 |
【第14回】 |
『人倫の形而上学の基礎づけ』第1章、第20段落~第22段落 |
【第15回】 |
リアクションペーパー作成 |
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