1. |
授業の概要(ねらい) |
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刑事法における事実認定の考え方とその具体例を学習する。社会における出来事に対する法的な解決は,事実を認定し,認定された事実に対して適切な法律を解釈適用する,という過程を経るが,事実認定という視点から刑事法の理解を深めることを目的とする。法律学演習Ⅰでは,事実認定の基本的な考え方と,主として刑法総論分野に関する事実認定の具体例を学習する。この授業によって,刑法総論の理解がさらに深まるであろう。
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2. |
授業の到達目標 |
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刑事法における事実認定の基本的な考え方とその具体例を学習することによって,法律家の視点から事実を把握することのイメージを持ち,刑事法の実践を具体的に感じることができるようになる。
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3. |
成績評価の方法および基準 |
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授業への積極的な参加状況とレポートによって総合的に評価する予定である。
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4. |
教科書・参考書 |
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参考書として 石井一正『刑事事実認定入門〔第3版〕』(判例タイムズ社)(平成27年) 小林充・植村立郎編『刑事事実認定重要判決50選(上)〔第2版〕』(立花書房)(平成25年)
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5. |
準備学修の内容 |
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授業は授業計画(シラバス)に従って進められるので,授業前には参考文献の該当箇所を概観しておくことが期待される。そして,授業後は授業内容を復習することによって各回の授業テーマについての理解(暗記でなく,考え方を理解すること)が期待される。
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6. |
その他履修上の注意事項 |
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授業に積極的に出席し主体的に学習することによって刑事法に関心を持っていただきたい。
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7. |
各回の授業内容 |
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【第1回】 |
授業ガイダンス,事実認定とは何か |
【第2回】 |
事実認定の資料(証拠)についての基本的ルール,情況証拠による事実認定の考え方 |
【第3回】 |
犯人性(犯人と被告人の同一性)の認定 |
【第4回】 |
盗品の近接所持と犯人性の認定 |
【第5回】 |
殺意の認定 |
【第6回】 |
因果関係の認定(1) |
【第7回】 |
因果関係の認定(2) |
【第8回】 |
正当防衛に関する認定(1) |
【第9回】 |
正当防衛に関する認定(2) |
【第10回】 |
故意の認定(1) |
【第11回】 |
故意の認定(2) |
【第12回】 |
共謀の認定 |
【第13回】 |
共犯関係の解消の認定 |
【第14回】 |
罪数に関する認定 |
【第15回】 |
裁判員制度 |
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