1. |
授業の概要(ねらい) |
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本講義では,現代国家の一形態である福祉国家をテーマに,その歴史的変遷や理論的・思想的根拠を学ぶとともに,福祉国家に向けられる様々な批判や直面する課題について検討する.
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2. |
授業の到達目標 |
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福祉国家は私たちの生活を規定する基本的な枠組みであるが,そこには様々な規範や価値が反映されており,それがどのようなものであるかによって生活のあり方が大きく左右される.この授業を通じて福祉国家についての知識を深めるとともに,様々な観点から福祉国家のあり方を検討し,福祉国家に対する自分なりの見解を持つことを目指す.
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3. |
成績評価の方法および基準 |
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出席は,期末試験を受験するための条件に過ぎない(出席が規定数に達しない者には期末試験の受験を認めない). そのうえで,期末試験の成績と,毎回の講義終了時に提出するリアクションペーパーの内容で評価する.配点は期末試験の成績80%,リアクションペーパーの内容20%である. なお期末試験の際は,自筆で作成した資料(A4サイズ,両面記入可,コピーは不可)に限り,持ち込みを認める.
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4. |
教科書・参考書 |
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教科書: とくに使用しない.ハンドアウトを配布し,PowerPointで講義を行う. 参考文献: 『福祉社会―包摂の社会政策』有斐閣アルマ(武川正吾著,2011年,有斐閣アルマ) 『現代福祉国家と自由:ポスト・リベラリズムの展望』(金田耕一著,2000年,新評論)
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5. |
準備学修の内容 |
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授業時に配布するハンドアウトには参考文献を挙げておくので,できるだけ読むようにすること. また,毎回の授業は関連しているので,きちんと理解をしていかないとついていくことは難しい.授業後に必ず内容を復習して,疑問点などを明らかにしたうえで次の授業に臨むこと.
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6. |
その他履修上の注意事項 |
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授業計画は,講義の進捗状況や履修者の関心に応じて変更されることがあるのでご了承願いたい.また,毎回参考文献を紹介するので,自発的に知識を深める努力をしてほしい. なお授業中の私語は「厳禁」である.教室からの退出を命じるほか,成績評価で著しい減点となるので注意してほしい.
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7. |
各回の授業内容 |
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【第1回】 |
イントロダクション:現代社会と福祉政策 |
【第2回】 |
日本の福祉政策の現状 |
【第3回】 |
福祉国家の歴史①<福祉国家の生成期> |
【第4回】 |
福祉国家の歴史②<福祉国家の拡大期> |
【第5回】 |
福祉国家の歴史③<福祉国家の危機と再編> |
【第6回】 |
産業化と福祉国家 |
【第7回】 |
福祉レジーム論:福祉国家の多様性 |
【第8回】 |
シティズンシップと福祉国家:社会の一員とみなされる人はどんなひとか? |
【第9回】 |
ケイパビリティ(潜在能力)・アプローチとは:人びとの福祉(生活の善さ)をどう評価するか? |
【第10回】 |
福祉政策における論点①貧困:「社会的に許容できない生活水準」とは? |
【第11回】 |
福祉政策における論点②社会的排除と包摂:社会の中に自分の「居場所」はあるか? |
【第12回】 |
福祉政策における論点③自立と依存:人に頼って生きるのは悪いことか? |
【第13回】 |
福祉政策における論点④ジェンダーとセクシュアリティ:「性」について考える |
【第14回】 |
福祉政策における論点⑤再分配と承認:ありのままで社会に受け入れられることは難しい? |
【第15回】 |
福祉政策における論点⑥自由とセキュリティ:監視すれば「安心」が得られるか? |
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