1. |
授業の概要(ねらい) |
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「サラダ・ボウル」と呼ばれるアメリカ社会は、広大な土地面積(日本の25倍)に、約3.2億人(日本の2.6倍)の、言語、人種、宗教などさまざまに異なった人々が住んでいる。 資本主義市場経済で規模を拡大してきたアメリカ経済には、10数%の相対的貧困層がいる。アメリカにおける貧困とは何なのか(定義)、どう計測されているのか、政府の政策ではどう対処されてきたのか、これらのことを考察する。さらに、労働市場と教育における差別の状況をデータに基づき考察し、それらを理解するための理論と政策を学ぶ。 アメリカ経済における福祉政策、ワーキング・プアなどについても理解する。「階層」間格差が重要であることも学ぶ。
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2. |
授業の到達目標 |
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アメリカ経済を、貧困と差別という観点から深い理解を進め、経済理論、歴史、政策を学ぶ。日本経済と比較することで、日米経済の理解を深める。これらのことを自ら説明できるようになる。
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3. |
成績評価の方法および基準 |
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出席点(出席コメント票に毎回記入) :30% 中間テスト(小クイズ) :30% 期末試験(または論文、プロジェクト提出) :40% つまり、この授業では、自分の成績は上記のウエイトに従って自分で決めて獲得していただきます。
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4. |
教科書・参考書 |
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『貧困と差別の経済学』B.シラー著(松井範惇訳)、ピアソン桐原(2010) 松井範惇研究室で入手してください。
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5. |
準備学修の内容 |
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各週の該当する教科書の章は、前もってキチンと読んできて下さい。単なる「講義」ではありません。授業では、議論、討論、質疑や問題提起などを中心に進めていきます。学生のイニシアチブが重要です。期末試験に代えて、論文、書評などのプロジェクト提出も出来ますが、プロポーザルを締切りまでに出した場合のみ認められます。 詳細は学期開始時に、詳しく説明します。
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6. |
その他履修上の注意事項 |
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積極的な学びの態度を身につけるようにしてください。受け身では「学びの授業」になりません。無断欠席が5回以上の人は、期末試験の受験資格はありませんし、プロジェクト提出の資格もありません(学生便覧:p.27)。
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7. |
各回の授業内容 |
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【第1回】 |
不平等と貧困の考え方 |
【第2回】 |
差別と格差を理解する、貧困者を数える |
【第3回】 |
世界における貧困と不平等、工業国の貧困とどう違うのか |
【第4回】 |
労働力参加、ワーキング・プア |
【第5回】 |
まとめと中間試験(1) |
【第6回】 |
年齢と健康、家族の規模と形態 |
【第7回】 |
下層階級:文化と人種 |
【第8回】 |
教育と貧困、教育における差別 |
【第9回】 |
労働市場における差別 |
【第10回】 |
まとめと中間試験(2) |
【第11回】 |
福祉プログラム、社会保障 |
【第12回】 |
雇用政策 |
【第13回】 |
機会均等政策 |
【第14回】 |
将来の展望 |
【第15回】 |
まとめ |
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