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授業の概要(ねらい) |
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私たちが生きるわが国の現代という時代は、第2次大戦の焼け跡から再建された戦後日本の歩みから形づくられてきました。その歴史を振り返れば、日本経済という「生き物」が経済政策のメカニズムだけから生まれたものではないことは明らかです。戦後の日本が置かれた国際情勢と、1945年を境に起きた価値観の転換によって根底から揺すぶられた政治と社会の動き、何よりも敗戦の屈辱とともに自由な空気を味わえた日本人の潜在的な能力がいかんなく発揮されて実現したものです。経済、政治、社会あらゆる面を俯瞰して足跡をたどることで復興から高度成長の時代を経て、世界の主要先進国の仲間入りしてきた日本の実像を理解できるはずです。秋季は1960年以降の日本をたどります。 春季に続き、現代日本の歩みを継続してフォローしていきます。秋季は高度成長時代から国際経済のキープレイヤーとなっていく日本、そしてバブル経済によるジャパン・プロブレムの時代、バブル崩壊から失われた20年を検証し、日本の経済と政治はどこで、何を誤ったのか、考えていきます。
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2. |
授業の到達目標 |
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戦後の日本経済についてを政治と社会、国際情勢の動きとともに学び、戦後史を現在に至るまで俯瞰的に理解し、知識を深めるようにします。
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3. |
成績評価の方法および基準 |
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最終講義における講義内テストで理解度を試験し、評価します。試験は論述式。ふだんの講義をよく聞き、ノートの充実を怠らないよう努めてください。
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4. |
教科書・参考書 |
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『日本経済読本(20版)』金森、香西他編 東洋経済新報社 『戦後史』上下 正村公宏 ちくま書房文庫 岩波新書シリーズ日本近現代史『占領と改革』『高度成長』など。 日本戦後史に関わる新書など読みやすい参考図書が多数あるので図書館を活用して関心のあるテーマについて読んでいくこと。
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5. |
準備学修の内容 |
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興味をもった課題について大学図書館等で関連図書を通じ、独習すること。これ常に求められることです。
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6. |
その他履修上の注意事項 |
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講義中、ノートテーキングは重要な知識確認の手段です。自分のノートを「基本書」として、他の参考書を参照し、ノートの充実を図ってください。自分の手で書かないと、知識は身につきません。学生諸君のレベルではとくにそうですから、これは必須です。各講義内容についてプリント配布しますが、これもノートを完成させるための補助材料です。
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7. |
各回の授業内容 |
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【第1回】 |
1960年代初頭の所得倍増時代 |
【第2回】 |
東京オリンピック経済 |
【第3回】 |
保守長期政権とインフレ時代 |
【第4回】 |
環境破壊と国内社会混乱 |
【第5回】 |
1970年代と世界経済先進国へ |
【第6回】 |
ニクソン・ショックと通貨危機 |
【第7回】 |
列島改造と石油危機 |
【第8回】 |
高度成長の終焉と成熟の時代 |
【第9回】 |
経済大国へ |
【第10回】 |
第2次石油危機と日本産業の危機 |
【第11回】 |
日米経済摩擦の時代 |
【第12回】 |
バブル経済と冷戦の終わり |
【第13回】 |
失われた10年の始まり |
【第14回】 |
グローバリゼーションと日本経済の試練 |
【第15回】 |
まとめと試験 |
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