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授業の概要(ねらい) |
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企業は、ヒト、モノ、カネおよび情報・技術を経営資源として活動しています。そしてその活動の成果を財務諸表という報告書で、外部の利害関係者に伝達しています。この作成された財務諸表をいかに有効活用するかについて学修します。財務諸表を有効活用する代表的手法が、比較分析です。ある企業と別の企業を比較(:企業間比較)したり、ある企業の現在と過去を比較(:期間比較)して、その良し悪しを判断します。演習IIでは、受講者自らが選定した企業の財務諸表分析を各自で行い、その結果を報告して学修を深めていきます。
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2. |
授業の到達目標 |
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収益性、安全性を中心とした財務指標を活用した企業分析の手法を修得することを目指します。具体的には、次の2点を到達目標とします。 (1)主要な財務比率の計算ができること (2)計算された財務比率が表す意味内容を、良し悪しと関連づけて理解できること 演習Ⅱでは、上場企業の財務諸表の活用に焦点を合わせて学修します。また受講者同士の学び合いを重視して、プレゼンテーション力の向上も目指します。さらに、資格取得の目標として、10月に行われる全商会計実務検定試験「財務諸表分析」の合格も目指します。
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3. |
成績評価の方法および基準 |
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授業中に行う財務諸表分析の作業状況・参加姿勢(70%)、レポート等(30%)により、総合的に行います。演習科目は学生同士が学び合う側面も重要です。そのため、毎回の出席を前提として、ディスカッション等への参加姿勢も評価対象とします。
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4. |
教科書・参考書 |
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テキスト:新田忠誓監修(2014)『全商会計実務検定試験 財務諸表分析』(五訂版)実教出版 近田典行編(2014)『会計学ベーシック』中央経済社 参考文献:森久/関利恵子/長野史麻/徳山英邦/蒋飛鴻/平屋 伸洋(2015)『財務分析からの会計学』(第3版)森山書店
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5. |
準備学修の内容 |
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分析作業は、時間がかかることがあります。そのためには、自宅で作業することも必要です。
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6. |
その他履修上の注意事項 |
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経済行為の中には、「消費」「浪費」そして「投資」等がありますが、増やすことを前提にした行為は、「投資」です。この投資は、資金の運用行為ですが、その方法には様々なものがあります。この授業では、いろいろな投資方法、つまり代替的投資機会について考えていきますが、計算の方法に正解はあっても、経済行為に、唯一絶対の解答があるわけではないことを理解し、目的と条件設定によって最適解が異なる意味を、むしろ考えていただくことに重点があります。有用なものには、同時に限界もあります。 演習は、受講者相互の人間関係も重要です。楽しい雰囲気を作り、生涯の友も得るように努力してください。
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7. |
各回の授業内容 |
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【第1回】 |
授業の全体像の概観:演習Ⅰにおける到達地点の確認、学修の必要性 |
【第2回】 |
財務諸表の相互関連(資産と費用の関係、そして利益への影響) |
【第3回】 |
財務諸表分析の限界と留意点 |
【第4回】 |
損益分岐点分析 |
【第5回】 |
安全性分析とキャッシュ・フロー計算書 |
【第6回】 |
その他の分析手法:各論 |
【第7回】 |
企業の選択と財務諸表の入手方法 |
【第8回】 |
財務諸表分析の実践(各自が選択した企業の分析と質疑応答)-その1 |
【第9回】 |
財務諸表分析の実践-その2 |
【第10回】 |
財務諸表分析の実践-その3 |
【第11回】 |
受講者による学修内容の要約とプレゼンテーション |
【第12回】 |
企業の経営管理活動の評価の総括-その1 |
【第13回】 |
企業の経営管理活動の評価の総括-その2 |
【第14回】 |
企業評価と株価 |
【第15回】 |
学修内容の要約 |
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