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授業の概要(ねらい) |
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『まち・ひと・しごと創生法(地方創生法)』により、地方において人材育成と創業促進が本格的に展開されることとなる。それに先立ち中小企業庁では、創業支援を整えるとともに、地方発の新たな事業の担い手の創出を支援する「創業スクール」を全国各地で展開している。その背景には、我が国の開業率は、近年4~5%で推移しており欧米の半分程度、特に、大都市圏以外の地域における開業率は低迷しており、地方創生法にもとづく戦略プランの実現のためにも地域に根ざした創業を促進するための土壌づくりを広く横断的に実施すことが必要と認識されていることによる。 このように地方における創業が期待される中で、創業・起業に関する知識を有していることは、自身の大きな特徴・個性となることが期待されるとともに、就職活動の際の選択肢を広げることにもつながる。 本演習は、自身の描くビジネスモデルをもとに1年間の演習を通じて起業家に求められる、1)創業者の資質(情熱・理念、独創性・読み取る思考等)、2)事業計画書の作成力、3)組織化に関する知識、4)経理に関する知識、5)税金に関する知識、6)実現に向けてのプロセスと準備等の知識の習得や心構えを習得することで、『夢を夢で終わらせずに夢を実現すること』につなげるための支援に努める。1年間の演習で完結する内容としているため、通年での受講を求める。 実学に基づく演習であるため、受講学生の上限を25名と制限し、受講者が超えている場合は、通年での受講希望者、第1回の講義の際の受講希望書(起業に対するイメージ)を参考に受講の可否を判断する。また、受講者の関心領域・テーマに応じて現場で活動している専門家・起業経験者をゲスト講師として招聘し、より実践的な演習の機会をつくる。
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授業の到達目標 |
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①起業に向けてのステップを理解し、そのために必要な知識の概要を理解できる。 ②漠然としていた夢を事業計画として描くことができる。 ③起業・創業に向けての段階を理解できる。 ④起業・創業に向けての行動に移す心構えを備えることができる。
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成績評価の方法および基準 |
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演習系科目のため出席は必修である。評価は演習による自身の起業イメージシート作成と出来栄えが50%、各学期最低2回の発表を行うこととしその評価が20%、質疑応答への参加が15%、演習運営への主体的な貢献が15%の配分によって総合的に評価する。
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教科書・参考書 |
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①夢を実現する創業(中小企業庁) http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/sogyo/pamphlet/2014/download/h26Sogyo.pdf ②創業の手引き(日本政策金融公庫) https://www.jfc.go.jp/n/finance/sougyou/pdf/sougyou_tebiki_151021.pdf ③その他、各自の興味対象に関する書籍
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準備学修の内容 |
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①自分でイメージした起業の領域・分野に関する事業・業界等に対する研究・知識の習得に継続的に取り組むこと。 ②休日等の時間を使い、現場でものごとを考えることを習慣化する姿勢をもつこと。
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その他履修上の注意事項 |
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演習に主体的に参加することによって「物の見方や捉え方」「現実に至る過程や背景」等を習得し、マニュアル思考から脱皮する思考を身につけてほしい。当然ながら、企画書作成等の課題・演習を通じて得た論理性・プレゼン・各種PCソフトの使い方・技能も身につくことに期待している。 また、3年生の受講者は、4年生の同講義の2年目も受講し、3年生の指導を通じて起業に対する理解を深めるとともに、起業のイメージを実現に近づけるよう企画・構想の磨きかけ・実現化を期待したい。
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各回の授業内容 |
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【第1回】 |
ガイダンス・受講希望書(起業に対するイメージ)作成 |
【第2回】 |
起業・創業に対する教員の体験談と備え |
【第3回】 |
自身の描いている夢を語る(1) |
【第4回】 |
自身の描いている夢を語る(2) |
【第5回】 |
[講義]経営理念について(創業者の資質) |
【第6回】 |
[講義]時代を見通す力・時代の思潮を掴む |
【第7回】 |
創業スクールの企画提案から傾向を知る |
【第8回】 |
[講義]事業計画(ビジネスプラン)について |
【第9回】 |
[演習]テーマ・収益性・背景 |
【第10回】 |
[演習]優位性・将来性・実現性 |
【第11回】 |
[演習]事業構想について |
【第12回】 |
[講義]資金化について |
【第13回】 |
[演習]開業資金の計算・見通し |
【第14回】 |
[演習]運転資金の計算・見通し |
【第15回】 |
前期総括と夏期休暇期間の課題 |
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