Web Syllabus(講義概要)

平成28年度

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エリアマネジメント演習 II 今野 久子
選択  2単位
【観光経営】 16-1-1130-3754-26A

1. 授業の概要(ねらい)

 人口増加が期待できない時代を迎え、大学では、「智」や「技術」のみならず学生の活動をまちづくり分野に活かす試みが多く見られるようになっている。一方、本学八王子キャンパスが立地する多摩ニュータウンは、日本を代表する大規模開発として、超高齢化やコミュニティ再生など現在の地域課題への対応においても先進地域であり、ここで今、様々な場面に若者の力を活かすことへの期待がこれ迄以上に高まっている。この両者の係りから生まれるのは、「学生は、実社会で多くの大人に接し、他では体験できない多様な学びを得る」-「地域の各主体は、コミュニティ再生の方法を模索し蓄積する」という、いわゆるウィン‐ウィンの相互関係である。
 本演習は、本学が掲げる「実学」を「PBL(problem based learning)」の形で試みる立場から、学生目線での地域経営(エリアマネジメント論)を講究し、将来のまちづくりや地域貢献・NPO(的)活動に資する経験・スキルアップにも繋げることを目指して開講する。キャンパス周辺のニュータウン地域のなかで具体的な現場と係る実践的・試行的な取組みについて、これまでに構築してきた地域との関係を一層深めつつ、現場の課題・状況に即して段階的に取組み展開を図る。
 なお、受講者の関心領域に応じて関係者をゲストとして招聘し、或いは視察研修の実施や視察先での関係者の話を聞く機会をつくる。
 今後の地域づくりが確実に市民協働へと向かっていることから、グループワークを中心とする。

2.
授業の到達目標

 (1)地域経営(エリアマネジメント論)について基本的な知識をもち、ニュータウン地域・対象とする現場の喫緊の具体的課題を説明することができる。
 (2)自らの興味・関心のある領域において、自主的に研究テーマ設定や研究方法を考えて、研究計画を立てることができる。
 (3)現地調査やヒアリング調査等を通じて地域・現場に受け入れてもらうための作法を身につけることができる。
 (4)1年間の研究グループによる協働・協調での活動を通じて学んだことを研究ノートとして取りまとめることができる。

3.
成績評価の方法および基準

 演習系科目のため出席は必須である。評価は、出席が50%、グループワークへの主体的な貢献が30%、研究・活動の成果・発表の成果の出来栄えが20%の配分によって総合的に評価する。

4.
教科書・参考書

 以下の資料・参考書を適宜用いるほか、授業のなかで適宜紹介する。
  ①エリアマネジメントに関する国土交通省ホームページ掲載資料(エリアマネジメント推進マニュアル 等)
  ②小林英嗣他(2008)『地域と大学の共創まちづくり』学芸出版社
  ③上野淳・松本真澄(2012)『多摩ニュータウン物語 オールドタウンと呼ばせない』鹿島出版会
  ④秋元孝夫(2005)『ニュータウンの未来』多摩ニュータウン・まちづくり専門家会議(pdf版無償配布)
  ⑤多摩ニュータウン学会編集委員会『多摩ニュータウン研究』中央大学出版部
  ⑥UR都市再生機構 多摩ニュータウンホームページ
    http://www.ur-net.go.jp/syutoken/nt/outline.html

5.
準備学修の内容

 実践・試行的活動のベースとなる基礎知識の習得が極めて重要であるため、準備学習として、多摩ニュータウンの現状と課題、学生の活動の先進事例などの基礎知識について、資料研究に真摯に取組まれたい。

6.
その他履修上の注意事項

 活動はすべてグループ単位で行い、協力して検討・実践する基本姿勢を徹底してほしい。基礎知識の習得、資料研究のうえで、現場の課題の把握や活動の検討に際しては「物の見方や捉え方」「現実に至る過程や背景」等を習得され、マニュアル思考から脱皮し、就職の際の差異・個性、卒業後必須の知識・思考を身につけてほしい。研究を通じて得た論理性・プレゼン・各種PCソフトの使い方・技能も身につくことに期待している。

7.
各回の授業内容
【第1回】
夏季休暇中の成果と秋学期のオリエンテーション
【第2回】
演習参加者からの研究発表と討論、地域貢献活動の計画・実践
※多摩ニュータウンの現状と課題、学生の活動の先進事例などの基礎知識について文献調査・発表等を行う。
※キャンパス周辺の現場について関係者(自治会、事業者・生産者、行政等)へのヒアリング調査、フィールドワークを主体とした調査、地域課題の解決に向けた活動を行う。
【第3回】
【第4回】
【第5回】
【第6回】
【第7回】
【第8回】
【第9回】
【第10回】
【第11回】
【第12回】
【第13回】
【第14回】
【第15回】
一年間の総括と次年度以降への展望について