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授業の概要(ねらい) |
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民法は1044条に及ぶ莫大な数の条文であるが、1条から174条までの部分が民法総則、175条から724条までが財産法、725条から1044条までが家族法(親族・相続法)に該当する。このうち、民法総則はいわば家の土台に該当するようなものであり、その知識は財産法、家族法の分野すべてに及ぶ。また、民法総則の条文は、全ての具体的な事案に適用するために抽象的化された規範が多いことも特徴である。しかしながら、民法総則は、私法のあらゆる事案に適用される条文を包含しており、非常に重要な分野である。この授業では、民法総則の基礎的知識を学ぶことを内容とする。
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2. |
授業の到達目標 |
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①法律学の基礎的知識を身につける。 ②私法に関するあらゆる事案に関与する民法総則の条文と判例を使いこなせるようにする。
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3. |
成績評価の方法および基準 |
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学期末テスト80% 授業貢献度20%
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4. |
教科書・参考書 |
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講義レジュメを配布いたします テキスト:川井健『民法概論(1)民法総則第四版』(2008年・有斐閣)、 参考文献:川井健『民法入門』(2012年・有斐閣)、川井健『はじめて学ぶ民法-所有、契約、不法行為、家族』(2011年・有斐閣)。さらに学習を深めたい学生は、川井健『民法概論(2)物権第二版』(2005年・有斐閣)、川井健『民法概論(3)債権総論第二版補訂版』(2009年・有斐閣)、川井健『民法概論(4)債権各論補訂版』(2010年・有斐閣)、『民法判例百選I総則・物権第7版』(別冊ジュリスト223号)、『民法判例百選II債権第7版』(別冊ジュリスト224号) などを利用するとよいと思います。
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5. |
準備学修の内容 |
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皆さんの日常生活で民法に接しない日はないといっていいでしょう。朝起きて電気がつくのは電気供給契約をしているから、大学に登校するために電車に乗れるのは旅客運送契約をしているから、コンビニで物を買うときは売買契約をしているから・・・一日になしている契約を数えたら数限りありません。日常生活のある行為、が民法総則で規定するどの条文に該当するのかを考えてみると民法の学習が楽しくなると思います。
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6. |
その他履修上の注意事項 |
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「生徒」から「学生」になった皆さんは、教えられた範囲をただ暗記するのではなく、「なぜその条文を適用するのか?」「なぜそのような解決方法を採用するのか」という理由を探求していく姿勢を身につけていただければと思います。
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7. |
各回の授業内容 |
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【第1回】 |
はじめに:(授業計画・成績評価など) |
【第2回】 |
契約成立過程 |
【第3回】 |
代理制度 |
【第4回】 |
代理の成立要件 |
【第5回】 |
無権代理 |
【第6回】 |
表見代理 |
【第7回】 |
表見代理 |
【第8回】 |
代理と相続 |
【第9回】 |
時効制度 |
【第10回】 |
時効の中断 |
【第11回】 |
時効の停止 |
【第12回】 |
取得時効 |
【第13回】 |
消滅時効 |
【第14回】 |
法律効果の付款(期限・条件) |
【第15回】 |
おわりに:全体のまとめ |
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