Web Syllabus(講義概要)

平成28年度

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知的障害者等の心理・生理・病理 石川 政孝
選択  2単位
【こども教育】 16-1-1333-1832-31A

1. 授業の概要(ねらい)

 【選択科目】【特別支援教育に関する科目・特別支援教育領域に関する科目・心身に障害のある幼児、児童又は生徒の心理、生理及び病理に関する科目】
 障害児は、「子どもとしての心理的傾向と問題」と「障害に関する心理的傾向と問題」の2つの心理を持っていると考えられる。ところで「障害に関する心理的傾向と問題」には、「障害に共通する心理的傾向と問題」と「障害に独自な心理的傾向と問題」の2つの種類がある。
 「障害児(肢)の心理」では、肢体不自由児の心理についてその理解の方法と「障害児に共通する心理的傾向と問題」について論じられるが、本講義は、知的障害児を中心に肢体不自由児、病弱児、視覚障害児、聴覚障害児、発達障害児並びに言語障害児などの障害児の「障害に独自な心理的傾向と問題」に関する理解を養う。
 なお、知的障害児の心理に関しては、心理特性に影響する障害の原因や脳の生理と病理について述べる。

2.
授業の到達目標

 知的障害児、肢体不自由児、病弱児、視覚障害児、聴覚障害児、発達障害児並びに言語障害児について、それぞれの障害の定義・概念、分類、原因・症状、心理的特性について説明することができる。
 障害児の「障害に独自な心理的傾向と問題」に関する理解を深め、支援のあり方について自分の意見を述べることができる。
 また、脳の生理・病理について説明することができる。

3.
成績評価の方法および基準

 試験(90%の割合)と授業参加度(10%の割合)を総合して評価する。

4.
教科書・参考書

 テキスト
  曻地勝人他編著『障害特性の理解と発達援助』第2版ナカニシヤ出版
 参考文献
  梅谷忠勇・堅田明義『知的障害の心理学』田研出版

5.
準備学修の内容

 授業で触れる各障害についてのテキストをよく読んで、基本的な知識をもって授業に参加すること。

6.
その他履修上の注意事項

 障害児理解のための観察者の視点、対話者の視点及び共感者の視点をもってほしい。

7.
各回の授業内容
【第1回】
オリエンテーション、授業の目的、内容、進め方、評価方法、参考書等について
【第2回】
「知的障害児を中心とした障害児の独自な心理的傾向と問題」
1.知的障害児
(1)知的障害児の心理的傾向と問題①
知的障害の定義・概念
【第3回】
(2)知的障害児の心理的傾向と問題②
脳の生理と病理
【第4回】
(3)知的障害児の心理的傾向と問題③
知的障害児の分類と原因・症状
【第5回】
(4)知的障害児の心理的傾向と問題④
知的障害児の心理的特性について
【第6回】
(5)知的障害児の心理的傾向と問題⑤
知的障害児の心理的援助について
【第7回】
2.肢体不自由児
(1)肢体不自由児の心理的傾向と問題①
肢体不自由児の知的機能と行動特性
【第8回】
(2)肢体不自由児の心理的傾向と問題②
脳障害性肢体不自由児の心理特性
【第9回】
3.病弱児
病弱児の心理的傾向と問題
入院と病弱児の心理
【第10回】
4.視覚障害児
視覚障害児の心理的傾向と問題
聴覚による手がかりと障害物知覚など
【第11回】
5.聴覚障害児
聴覚障害児の心理的傾向と問題
聴覚障害児のパーソナリティなど
【第12回】
6.その他の障害児
(1)発達障害児の心理的傾向と問題①
広汎性発達障害
【第13回】
(2)発達障害児の心理的傾向と問題②
学習障害と注意欠陥・多動性障害
【第14回】
(3)言語障害児の心理的傾向と問題
言語障害児の心理特性
【第15回】
授業の振り返りとまとめ 試験