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授業の概要(ねらい) |
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本概説では、おもに中国史を軸とする東アジア史全般について、最新の学界動向をふまえつつ検討する。その際にとくに各時代・各地域における人間同士の「つながり」に焦点をしぼって考察を加える。このように各時代・各地域の人間関係に焦点を絞った歴史の見方を「コミュニケーション・ヒストリー」とよぶのであるが、本概説ではそのような最先端の歴史学的手法を駆使しつつ、新しい東洋史像を模索してゆくことになる。 さらに本概説では、ヴィジュアルな授業を心がけ、各時代・各地域の遺跡や遺物の写真を数多く紹介する。また経済学・文化人類学・社会学の成果を隨時援用する。これらを通じて学生の皆さんには、中国通史を学習するのみならず、ものごとを多角的に考察する目も養ってもらいたい。 なお前期の「東洋史概説Ⅰ」では夏代から漢代までを、後期の「東洋史概説Ⅱ」では漢代から現代までを扱う。
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2. |
授業の到達目標 |
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・東洋通史の概略を理解する。 ・各時代・各地域における人びとのつながりのありようとその特性を理解する。
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3. |
成績評価の方法および基準 |
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・平常点30% ・授業内試験70%(授業中に説明する基本的用語について、穴埋め問題を課す。最終授業で行なう)。
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4. |
教科書・参考書 |
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【教科書】 柿沼陽平『中国古代の貨幣:お金をめぐる人びとと暮らし』(吉川弘文館、2015年) 【参考文献】本田毅彦編著『つながりの歴史学』(北樹出版、2015年) 湯浅邦弘編著『テーマで読み解く中国の文化』(ミネルヴァ書房、2016年) 中国出土資料学会編『地下からの贈り物』(東方書店、2015年)
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5. |
準備学修の内容 |
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・授業で説明した内容の理解に努める。 ・授業中に紹介した論文・書籍を適宜読む。
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6. |
その他履修上の注意事項 |
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・私語厳禁。まじめな学生を歓迎する。
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7. |
各回の授業内容 |
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【第1回】 |
漢代の日常生活①:市場・郷里社会・宴会 |
【第2回】 |
漢代の日常生活②:漢代の恋愛・結婚・女性・子育て |
【第3回】 |
漢帝国の崩壊と『三国志』の世界 |
【第4回】 |
五胡十六国時代 |
【第5回】 |
六朝時代の貴族とその文化 |
【第6回】 |
拓跋国家への道 |
【第7回】 |
儒教・仏教・道教の関係 |
【第8回】 |
貞観の治と武周革命 |
【第9回】 |
唐文化と史料編纂 |
【第10回】 |
世界帝国としての唐 |
【第11回】 |
科挙の確立と唐宋変革論 |
【第12回】 |
モンゴル帝国から明帝国へ |
【第13回】 |
銀と世界史 |
【第14回】 |
現代東アジア史の諸問題 |
【第15回】 |
総括 |
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