江戸時代の様々な学問の興隆が絵画製作にどのような影響を及ぼしたのか考察する内容である。たとえば、本草学・博物学が盛んになると、それを反映させた何十種類もの植物を描いた「草花図」が製作される。また、国学者による考証学や有職故実の影響により、綿密な時代考証のもとに歴史上の「人物像」が描かれるようになる。さらに江戸時代後期になると、古画の調査やそれらを伝存させるために模写や複製製作が活発に行われるようになるが、これらもまた新たな絵画製作の材料になった。こうした絵画やその製作背景について様々な史資料を用いて紹介する。
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