1. |
授業の概要(ねらい) |
|
認知心理学とは知的機能の解明を目指す心理学であり、平たく言えば頭のしくみを探る心理学である。私たちは普段の生活の中で、当たり前のように物事を知覚したり、記憶したりしているが、実はこの時、頭の中では複雑なしくみが働いている。この授業では認知心理学のいくつかのトピックについて学び、人間の知的機能がどのようなしくみで成り立っているか探っていく。前半では基礎編として、認知心理学の最重要トピックの1つである感覚・知覚を中心に学ぶ。後半では、やや専門的なトピックとして、近年さかんに研究が行われている自己認識、日常的な認知活動、認知心理学の応用分野である認知工学などについて学ぶ。心理学の知見のみでなく、関連領域である神経科学や工学の知見も適宜取り入れる。講義が中心だが、時々ビデオの視聴や簡単な演習、デモ実験などを行うことにより、体験的な理解も目指す。
|
2. |
授業の到達目標 |
|
・感覚・知覚のしくみを説明できる。 ・日常的な認知のしくみを説明できる。 ・認知心理学が社会生活にどのように応用されているか説明できる。 ・自らが日々行っている知的活動に関心を持ち、認知心理学の専門用語で表現できる。
|
3. |
成績評価の方法および基準 |
|
試験(70%)、平常点(30%)で評価する。
|
4. |
教科書・参考書 |
|
テキストは使用しない。 授業全般に関する参考文献は以下の通りである。 箱田裕司他著『New Liberal Arts Selection 認知心理学』有斐閣 個別のトピックに関する参考文献は、授業の際に随時紹介する。
|
5. |
準備学修の内容 |
|
・授業で紹介する参考文献を読んで、人間の知的機能のしくみを理解すること。 ・復習として、授業で学んだことを自らが日々行っている知的活動に当てはめてみること。
|
6. |
その他履修上の注意事項 |
|
・受動的に講義を聴くのではなく、自ら積極的に考えるように努めてほしい。このため、授業時に簡単な演習を課すことがある。 ・心理学で学ぶ概念の多くは、誰もが日々の生活の中で体験することである。したがって学ぶ際には、できるだけ自分自身の経験に当てはめるように努めてほしい。
|
7. |
各回の授業内容 |
|
【第1回】 |
オリエンテーション |
【第2回】 |
感覚・知覚1(概論、さまざまな錯覚) |
【第3回】 |
感覚・知覚2(視覚と脳) |
【第4回】 |
感覚・知覚3(物体認識と空間知覚) |
【第5回】 |
感覚・知覚4(感覚統合、まとめ) |
【第6回】 |
注意1(注意の基礎研究) |
【第7回】 |
注意2(注意が欠如するとき) |
【第8回】 |
自己を認識する |
【第9回】 |
日常的な認知1(対人的な認知) |
【第10回】 |
日常的な認知2(偏見とステレオタイプ) |
【第11回】 |
日常的な認知3(その他のトピック) |
【第12回】 |
認知心理学の応用1(認知工学) |
【第13回】 |
認知心理学の応用2(ヒューマンエラーの種類) |
【第14回】 |
認知心理学の応用2(ヒューマンエラーを防ぐには、まとめ) |
【第15回】 |
全体のまとめと振り返り |
|