Web Syllabus(講義概要)

平成28年度

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スポーツ医学 I 小川 佳子
選択  2単位
【スポーツ医療】 16-1-3074-4448-08A

1. 授業の概要(ねらい)

 健康な生活を送るためにスポーツは重要である。人々は健康維持・増進、生活習慣病予防、体力増強などの目的でスポーツを行っている。しかし、スポーツには健康を損なう要素も含まれており、時としてスポーツによる障害を生むことがある。スポーツによって健康を確保するためには、また、安全かつ効果的にスポーツの成果を得るためには、人体の解剖や生理、疾患の病態などをしっかり理解した上でスポーツを行うべきである。スポーツを愛する者には実はしっかりとした医学的知識が必要である。スポーツ医学Ⅰでは、人体に関する基本的解剖学、生理学、生化学、病理学などの正しい知識を身につけ、運動することが人体に及ぼす様々な影響について系統的に学習する。

2.
授業の到達目標

 スポーツと身体の相互関係を理解することを目標とする。

3.
成績評価の方法および基準

 定期試験(70%)、授業内またはインターネット(LMS)を利用した小テスト(30%)で評価する。
 なお、授業にはすべて出席することが前提であり、出席が3分の2に満たなければ評価対象外とする。

4.
教科書・参考書

 参考図書:
  『スポーツ医学研修ハンドブック・基礎科目(第2版)』日本体育協会指導者育成専門委員会スポーツドクター部会監修(文光堂)
 *講義は主にこの参考図書に沿って行うので、各自保有しておくことが望ましい。 
 *その他の参考図書についても授業内で適宜紹介する。

5.
準備学修の内容

 ①高校レベルの生物学、化学、保健体育学をマスターしていることが必須であるので、よく準備しておくこと。
 ②身体の構造や機能についてよく理解しておくこと。臓器別の疾患についてもある程度知識を持っていることが望ましい。
 ③授業前後に参考図書の該当範囲を通読しておくこと。

6.
その他履修上の注意事項

 ①授業はしっかりと聴いて、わからないことは積極的に質問し、わからないままにしておかないようにすること。
 ②授業中の私語、携帯電話やスマートフォンの使用、その他授業の妨げとなるようなことは厳禁である。
 ③スポーツの種類によってトレーニング法や障害の種類がことなっているので、様々なスポーツに接するように心掛けて欲しい。参加しなくとも観戦することも有益である。

7.
各回の授業内容
【第1回】
オリエンテーション
スポーツ医学で何をどのように学ぶかを理解する。健康生活を送るためにスポーツがいかに大切かについて学習する。(スポーツと健康)
【第2回】
スポーツ医学概論
スポーツ医学の概念、わが国の現状などについて学習する。各種スポーツ活動における外傷の特徴について学習する。(スポーツ活動中に多いケガや病気)
【第3回】
神経の解剖・運動生理とトレーニング効果(その1:基礎編)
中枢神経・末梢神経の基本的構造と働き、およびそれらの運動による変化などを学習する。特に、身体活動に関連する神経の作用について学習する。
【第4回】
神経の解剖・運動生理とトレーニング効果(その2:応用編)
中枢神経・末梢神経の基本的構造と働き、およびそれらの運動による変化などを学習する。特に、身体活動に関連する神経系の疾患について学習する。
【第5回】
筋・関節の解剖・運動生理とトレーニング効果(その1:基礎編)
筋・関節の基本的構造と働き、およびそれらの運動による変化などを学習する。各種スポーツに特有な筋の動きについても学習する。
【第6回】
筋・関節の解剖・運動生理とトレーニング効果(その2:応用編)
筋・関節の基本的構造と働き、およびそれらの運動による変化などを学習する。スポーツ活動での筋、関節、骨などへの影響について学習する。また、スポーツ活動での打撲などの応急措置法(RICE処置)を学習する。(スポーツ活動中に多いケガや病気)
【第7回】
呼吸器系の解剖・運動生理とトレーニング効果(その1:基礎編)
呼吸器系の基本的構造と働き、およびそれらの運動による変化などを学習する。呼吸器系トラブルの応急処置(心肺蘇生、AEDなど)を学習する。(スポーツ活動中に多いケガや病気、救急処置(心肺蘇生法、RICE、緊急時の対応などを含める))
【第8回】
呼吸器系の解剖・運動生理とトレーニング効果(その2:疾患について)
呼吸器系の基本的構造と働き、およびそれらの運動による変化などを学習する。健康を保つためのスポーツについて、特に、呼吸器系への貢献を学習する。(スポーツと健康)
【第9回】
呼吸器系の解剖・運動生理とトレーニング効果(その3:運動と疾患について)
呼吸器系の基本的構造と働き、およびそれらの運動による変化などを学習する。呼吸器疾患を持った人々でのスポーツ活動の意義について学習する。(スポーツと健康)
【第10回】
スポーツと喫煙
喫煙が健康に及ぼす影響について学習する。特に、喫煙がスポーツ活動に及ぼす影響について学習する。(スポーツと健康)
【第11回】
循環器系の解剖・運動生理とトレーニング効果(その1:基礎編)
循環器系の基本的構造と働き、およびそれらの運動による変化などを学習する。心肺蘇生、AEDの基本について学習する。(救急処置(心肺蘇生法、RICE、緊急時の対応などを含める))
【第12回】
循環器系の解剖・運動生理とトレーニング効果(その2:応用編)
循環器系の基本的構造と働き、およびそれらの運動による変化などを学習する。循環器系アクシデントの応急処置(心肺蘇生、AEDなど)を学習する。(救急処置(心肺蘇生法、RICE、緊急時の対応などを含める))
【第13回】
内分泌・代謝系の解剖・運動生理とトレーニング効果(その1:基礎編)
内分泌・代謝系の基本的構造と働き、およびそれらの運動による変化などを学習する。特に、スポーツに携わる人々が熟知すべき内分泌・代謝の基礎を学習する。
【第14回】
内分泌・代謝系の解剖・運動生理とトレーニング効果(その2:応用編)
内分泌・代謝系の基本的構造と働き、およびそれらの運動による変化などを学習する。内分泌疾患・代謝性疾患の概要を学習する。
【第15回】
熱中症について
ヒトの体温調節の基礎や熱中症対策について学習する。特に、スポーツ活動での熱中症について、その対策や応急処置を学習する。(スポーツ活動中に多いケガ、救急処置(心肺蘇生法、RICE、緊急時の対応などを含める))