Web Syllabus(講義概要)

平成28年度

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基礎バイオインフォマティクス(Basic Bioinformatics) 朝比奈 雅志
3年 前期 専門科目選択 2単位
【バイオ・前】 16-1-0398-2639

1.
授業目標

バイオインフォマティクスは、生命科学と情報科学の接点に生まれてきた新しい学問分野です。すなわち、遺伝情報をはじめとする生物に含まれるデータや生体内で起こる現象を情報としてとらえ、コンピューターを使って解析しようというものです。本授業では、バイオインフォマティクスへの入門として、遺伝子情報を中心とした様々な情報とその利用法についての基礎知識を習得し、ウェブサイトやデータベースを利用して、生命科学研究に必要な情報を収集できるようになることを目的とします。

2.
授業概要

ヒトゲノムをはじめとして多くの生物のゲノム解読が進み、膨大なデータが生み出されています。それらの生物情報はインターネット上に無償で公開されています。さらに、「情報科学者ではない人」も、「情報科学者」が提供している解析ツールを用いれば、膨大なデータから必要な情報を得ることができます。いつでも誰でも「インターネット」から「バイオインフォマティクス」の世界へ飛び込むことができるのです。講義とともに、ウェブサイトを利用した演習課題を通して、バイオインフォマティクスで実際にわかること、できることを学びます。

3.
準備学習(授業時間外の学習)

本講義で扱う内容は、“遺伝学・分子生物学”に基礎をおいています。
また、必要とするパソコンの知識は「情報基礎1」「情報基礎2」で学んだ内容です。
そのため、「基礎遺伝学」や「分子遺伝学」、「情報基礎1・2」の内容をよく復習しておいてください。

4.
授業計画

第 1 回:バイオインフォマティクスとは
第 2 回:文献・特許検索(Webcat, IPDL)
第 3 回:学術論文検索(PubMed)
第 4 回:遺伝子データベース(GenBank,DDBJ)
第 5 回:相同配列の比較・分子系統樹解析(CLUSTALW,TreeView)
第 6 回:ホモロジー検索とは(BLAST)
第 7 回:類似塩基配列の検索(BLASTN)
第 8 回:類似タンパク質の検索1(BLASTP)
第 9 回:類似タンパク質の検索2(BLASTX,TBLASTN)
第10回:類似タンパク質の高感度検出(PSI-BLAST,PHI-BLAST)
第11回:タンパク質機能予測(PSORT,SOSUI)
第12回:発現プロファイル・パスウェイ解析(GO,GEO,KEGG)
第13回:遺伝子オントロジー(Gene Ontology)
第14回:総合データベース、研究支援ツール(Entrez、GenomeNETなど)
第15回:総合課題

5.
成績評価の方法、基準

成績は、各講義で実施する演習課題(50点)と期末総合課題(50点)の合計で評価します。
2/3以上の出席をしていない場合は、成績評価の対象としません。
再試験は基本的に行わない予定です。

6.
使用テキスト及び使用教材

本科目は、実習を含む形式で行います。テキストは特に定めません。
授業は、CL教室のパソコンを使って行います。資料の掲載、課題の提出・評価は、すべてLMSを使用して行います。
必要に応じてプリントなどを配布するほか、LMS上に資料を掲載する予定です。

7.
その他

初回の講義で、LMSのコース登録と説明を行うので、履修希望者は必ず出席するようにして下さい。
また、海外のウェブサイトを使用するため、電子辞書(または英和・和英辞典)を持参することを推奨します。

<参考書> 中村保一 他編『バイオデータベースとウェブツールの手とり足とり活用法(羊土社)』