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授業目標 |
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「戦後世界史の中のアジアと日本」というテーマでアジアと日本の戦後史を考えてゆきます。歴史学は資料に基づいて歴史事実を探究する学問です。第二次世界大戦後の世界は冷戦体制が成立し、地域によっては時に「熱戦」になり、またその情勢の中で独立する新しい国々が出てきます。その冷戦体制も1980年代には崩壊し新たにイスラム圏、アフリカ圏、ラテンアメリカ圏などの新しい動きがあります。他方で科学技術と工業化は地球環境を破壊し、さらに核兵器の使用と原子力発電の推進は、私たちが生きてゆく上で新たな問題を提起しています。また、「先進国」「発展途上国」の経済格差、さらに各国内での格差や人口問題、インターネットの発達による知識基盤社会の成立などがあります。私たちが今生きている社会がどのように成立してきたかを資料に基づいて考えることがこの授業の目標です。
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2. |
授業概要 |
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戦後世界とアジアと日本の70年の歴史を資料を4人グループで音読しながら歴史事実を掴んでゆきます。資料は文字資料だけでなく、写真、統計、グラフ、音声などを読み、眺め、計算し、聴き取り歴史事実を探究してゆきます。4人グループで疑問や意見を交流し歴史事実を掴んでゆきます。あなた方が掴んだ歴史事実を当日ブリーフレポートにまとめます。
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3. |
準備学習(授業時間外の学習) |
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テレビ、新聞、インターネットで取り上げられるニュースに関心を持ってください。関心を持ったニュースを歴史的に考察することを勧めます。ある出来事が起きたら、その出来事を5W1Hの文にしてみてください。その上でその出来事の歴史的由来を考えてみるのです。 本を紹介しますので読んでみましょう。
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4. |
授業計画 |
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第 1回 オリエンテーション、大学で学ぶとは何をすることか? 歴史を学ぶとは何をどうすることか? テキスト紹介 授業の進め方 第 2回 東西対立の始まり 第 3回 アジアにおける冷戦と中東での展開 第 4回 第三世界自立の模索と社会主義圏の動揺 第 5回 歴史を遡る―第二次世界大戦でアジアと日本はどうなったか? 第 6回 超大国の動揺と第三世界の動向 第 7回 歴史を遡る―第一次世界大戦でアジアと日本はどうなったか? 第 8回 新冷戦と冷戦の終結 第 9回 超大国アメリカの外交 第 10回 EUの実験とロシアの動向 第 11回 中東・アフリカ・ラテンアメリカの動向 第 12回 アジアの発展と新たな課題 第 13回 現代文明とグローバル化 第 14回 2つの大戦とイスラム・ユダヤ世界 第 15回テスト、まとめ
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5. |
成績評価の方法、基準 |
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平常点(授業参加度合いとレポートによる)70% テスト30%
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使用テキスト及び使用教材 |
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池上彰・増田ユリヤ著『世界史で読み解く現代ニュース』ポプラ新書 780円+税 ウィリアム・H・マクニール著増田義郎/佐々木昭夫訳『世界史 下』(中公文庫) 1333円+税
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7. |
その他 |
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参考文献 吉見義明『従軍慰安婦』(岩波新書) 吉田 裕『昭和天皇の終戦史』(岩波新書) 山室信一『日露戦争の世紀―連鎖視点から見る日本と世界-』(岩波新書) 加藤陽子「それでも、日本人は「戦争」を選んだ』(朝日出版社) ヴィクトール・E・フランクル著・霜山徳爾訳『夜と霧 ドイツ強制収容所の体験記録』(みすず書房)1890円+税 内藤正典著『イスラム戦争 中東崩壊と欧米の敗北 』(集英社新書)760円+税 アンネ・フランク著・深町眞理子訳『アンネの日記 増補新訂版 』(文春文庫)870円+税 楠木誠一郎『増補日本史世界史同時代年表』(朝日文庫)660円+税
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