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授業目標 |
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近年の機器分析技術や分子生物学の発展により、植物の様々な生命現象が分子レベルで解明されてきています。また、これらの研究の進展には、様々な機関によって整備されたバイオリソース・データベースが重要な役割を担ってきました。本科目では、植物の種子発芽と生長、花成、および環境応答などの分子メカニズムについて理解できること、これらの研究に活用されたバイオインフォマティクスの理論と実際を学び、バイオリソース・データベースを利用できることを目標としています。
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2. |
授業概要 |
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本講義では、植物の生長と分化を制御しているメカニズムについて学習します。まず、植物の種子休眠・発芽、栄養生長〜生殖生長を制御する仕組みについて、関連した英文文献・原著論文を用いて学習します。また、実際に植物科学研究に活用されている分析技術やバイオリソース・データベースの特徴について概説した後、バイオリソースの選択と取得法、データベースを用いた遺伝子発現解析等に関する講義と演習を行います。
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3. |
準備学習(授業時間外の学習) |
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学部での「分子遺伝学」、「植物化学」、「植物分子生物学」、「基礎バイオインフォマティクス」の知識を前提とします。
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4. |
授業計画 |
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第 1 回イントロダクション・植物生理学の発展と分子生物学 第 2 回植物ホルモンの生合成と情報伝達 第 3 回種子の休眠と発芽(1)発芽とジベレリンの機能 第 4 回種子の休眠と発芽(2)休眠とアブシジン酸の機能 第 5 回種子の休眠と発芽(3)環境情報の受容とクロストーク 第 6 回植物の生長と分化(1)根・不定根・側根形成 第 7 回植物の生長と分化(2)茎の伸長 第 8 回植物の生長と分化(3)葉の形態形成 第 9 回植物の生長と分化(4)花成・生殖 第10回植物の環境応答 第11回バイオインフォマティクス概論・バイオリソースとデータベース 第12回バイオリソースの種類と利用法 第13回データベース(1)NCBI、DDBJを用いた演習 第14回データベース(2)トランスクリプトーム、メタボローム解析 第15回データベース(3)総括と総合課題
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5. |
成績評価の方法、基準 |
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期末総合課題によって評価する。
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6. |
使用テキスト及び使用教材 |
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使用しません。必要に応じてプリントなどを配布します。 <参考書> 中村保一 他編『バイオデータベースとウェブツールの手とり足とり活用法(羊土社)』 小柴共一・神谷勇治 編 『新しい植物ホルモンの科学(講談社)』 小柴共一 他編 『植物ホルモンの分子細胞生物学(講談社)』
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7. |
その他 |
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あらかじめ出した課題に対して各人の発表を行い、それに基づいて討論や解説を行います。 また、コンピューターを用いて遺伝子発現解析に関する演習を行います。
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