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授業目標 |
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地方自治は、国(中央政府)と地方団体(地方政府)との間の事務・権限・財源の分配の問題としてとらえることができます。このような国(中央政府)と地方団体(地方政府)との関係は、明治時代初期に地方自治制度が創設されて以来幾多の変遷を重ねてきています。 すなわち、日本の地方自治制度の基礎は、山縣有朋とドイツ人法律顧問モッセが築いたといわれていますが、彼らが目指そうとした地方自治制度は、実は、財政が豊かで、かつ、権限が強い充実した制度であったようです。ただ、そのような構想は、その後の国際情勢の緊張の中で、中央集権へと後退していきます。 このような過程の中に、今日の国と地方との関係という問題の原点を見ることができるでしょう。 本演習においては、このような観点から、明治初年以来昭和前期に至るまでの間の日本の地方自治制度の変遷を辿ることにより、今日における国と地方との関係という問題に関して、理解を深めることができることを目標とします。
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授業概要 |
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使用テキストを輪読します。担当者が分担部分の要旨を作成して報告し、それに対して他のゼミ生が質問をし、さらに意見を発表して討議してもらう予定です。 ただ、あまり固く考えずに、自分の気が付いたことを発表してもらえれば十分です。
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準備学習(授業時間外の学習) |
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使用テキストを一読しておいてください。特に次回の学習範囲は良く読んでおいてください。
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授業計画 |
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第 1 回 ガイダンス…以下のように使用テキストの項目順に進める予定を説明 第 2 回 豊かだった明治日本の地方①(明治の地方自治とは何だったのか・江戸の自治と英米の自治) 第 3 回 豊かだった明治日本の地方②(地方からの財源の吸い上げ・町村への干渉の時代・大久保利通の地方自治) 第 4 回 豊かだった明治日本の地方③(民間主体の殖産興業政策・江戸の自治への回帰・市部と郡部の財政調整) 第 5 回 豊かだった明治日本の地方④(大久保利通暗殺後の混乱・福島事件と町村会への統制強化) 第 6 回 山縣有朋の地方自治①(条約改正と地方自治制度・市町村財政への新たなコントロールの仕組みの導入) 第 7 回 山縣有朋の地方自治②(等級選挙と名誉職の原則・山縣有朋の欧米調査) 第 8 回 山縣有朋の地方自治③(「待ち甲斐もなきもの」とされた山縣有朋の府県制と郡制・衛生行政と地方自治・臥薪嘗胆の時代) 第 9 回 山縣有朋の挫折①(山縣有朋と原敬・山縣有朋の人物像) 第10回 山縣有朋の挫折②(日露戦争後の地方財政・地方改良運動) 第11回 後継者たちの闘い①(後藤新平と都市の自治・原敬の地方利益誘導型政治) 第12回 後継者たちの闘い②(高橋是清の税源移譲案と関東大震災・財源なき財政調整制度) 第13回 後継者たちの闘い③(農山漁村経済更生運動・国による地方の末端行政機関化) 第14回 中央に吸収される地方①(馬場税制改革案・昭和15年度税制改正) 第15回 中央に吸収される地方②(太平洋戦争下の地方財政・未完の地方自治)
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成績評価の方法、基準 |
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発表内容、質問内容及び意見の内容を基準とします。
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使用テキスト及び使用教材 |
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松元 崇『山縣有朋の挫折ー誰がための地方自治改革』(日本経済新聞出版社、2011年)
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その他 |
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使用テキストは大変興味深い内容です。ただ、それほど難しい記述ではありませんので、ともかく読んでみて、参加者が気が付いた事項を述べてみてください。
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