Web Syllabus(講義概要)

平成28年度

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熱力学(Thermodynamics) 飽本 一裕
3年 前期 専門科目選択 2単位
【ヒューマン・前】 16-1-1422-2004

1.
授業目標

エネルギーは人類の生活に必須ですし、地球環境の将来も地球温暖化の抑制可能性は人類のエネルギー利用の効率化にかかっています。
特に、福島第1原発事故以来、エネルギーは国民的論議の的になっています。
この授業では、エネルギーシステムの基本である熱力学の基礎を理解し、熱力学の応用であるエンジンや発電等のエネルギー変換システムを理解できるようになります。

2.
授業概要

まず、熱力学第1法則や第2法則等の熱力学の基礎を理解します。熱力学第1法則は熱エネルギーを含むエネルギーの保存則です。熱力学第2法則に関しては、カルノーサイクルが象徴的存在です。
熱力学の応用に、ガソリンエンジンやジェットエンジンがあります。ジェットエンジンは火力発電にも応用されています。
これらエネルギー変換システムの効率化がCO2等の廃棄物を削減し、地球環境の改善につながります。

3.
準備学習(授業時間外の学習)

微分と積分がほぼ毎回出てきますので、常に知識を磨いておいてください。
宿題やレポートは必ず期限内に提出してください。
このシラバスを参考にして、教科書を予習して授業に臨んでください。
授業の理解が飛躍的に上昇するでしょう。

4.
授業計画

1. 発電と熱力学と熱エネルギー
2. 気体の性質、その1:熱力学ではなぜ気体が重要なのか?気体の状態方程式
3. 気体の性質、その2:高度が上がるとなぜ気温が下がるのか?断熱とは?
4. 熱力学第1法則:ジュールの実験等
5. 熱力学第1法則の応用、エンタルピー
6. 熱力学第2法則とエントロピー:増えようが減ろうが勝手にしやがれエントロピー(笑)
7. 理想的なエンジン:カルノーサイクル
8. カルノーサイクルの応用:なぜカルノーサイクルが重要か?およびテスト
9. 外燃機関と蒸気機関
10.内燃機関とガソリンエンジン
11.ディーゼルエンジンとジェットエンジン
12.火力発電(ランキンサイクル)
13.冷凍システム
14.熱力学第3法則
15.テストとまとめ

5.
成績評価の方法、基準

読書感想文(1割)、宿題(2割)、中間試験(3割)・期末試験(4割)
読書感想文を書くには、エネルギーに関連した本(小説、雑誌、マンガは不可)を図書館で借りて読み、まず、著者、題名、発行所、発行年を紹介し、本の粗筋を記述します。次に、著者が強調するポイントを幾つか述べ、それらに対する自分の感想や共鳴した個所、そして全体的な感想も書き、分析してください。また、自分が最も興味をもった個所を最低1ページコピーし、そのページのどこにどのように興味をもったかを説明してください。長さはA4用紙1枚以上です。

6.
使用テキスト及び使用教材

教科書:石原敦・飽本一裕著「ゼロからスタート熱力学」日新出版(2002)\1680

7.
その他

熱力学の学習には微分と積分の知識が必要ですから、なるべく微分積分学の関連単位を取得した人、または微積分がわかる人のみ受講するようにしてください。
また、卒業間近の学生も他の学生と同様に公平に扱い、特別配慮はありません。