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授業の概要(ねらい) | 
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 教育現場における心理の専門家の活用、といえば、スクールカウンセラーをイメージする人は多いだろう。一方で、その実態や、心理学がどのように教育課題の解決に役立つのかについてはあいまいな答えしか持っていない人も多いと思われる。  本授業では、発達障害児(者)に対する学校や園での支援の取り組みの基本を検討する。授業では、まず、学校や園生活に困難を抱えることの多い自閉症スペクトラム障害者(児)を取り上げ、彼らの示す“自閉”行動の背後にある思いについて考える。ついで、学校への支援についての基本的な考え方を紹介する。その後、障がいがあるのか個人差か判断しがたい「気になる」子どもを例に、援助者側がなぜ、気になるのかを考える。最後に、発達検査による評価の実際についてビデオを通して検討する。  全体を通して、心理の専門家として、どこにどう注目することが、学校や園において他者とともに育ちあう関係づくりにつながるのかを、みなさんとともに考えていきたい。
		 
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授業の到達目標 | 
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 学校・保育現場における子どもの心理的援助に関わる領域から、「自閉症スペクトラム障害の理解」「学校現場における心理的援助」「『気がかり』を振り返る視点」「乳幼児期の発達アセスメント」の4テーマを設定し、発達心理学および学校・教育心理学の観点から学ぶことを目標とする。
		 
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成績評価の方法および基準 | 
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 試験および授業内課題への取り組みを総合して評価する(授業内課題の比重は20%)。  なお、試験は最終回に予定している(80%)。  ただし、出席回数が規定に満たない学生は試験を受けることができない。  なお、LMSに掲示された配布資料を2週間以上ダウンロードしていない場合は警告し、それを過ぎると減点する。
		 
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教科書・参考書 | 
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 参 考 書:石隈利紀(1999)『学校心理学−教師・スクールカウンセラー・保護者のチームによる心理教育的援助サービス』、誠信書房  配布資料:LMSを通して各回の資料を配布するので、授業前に各自印刷して授業時に持参すること。
		 
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準備学修の内容 | 
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 1)授業内容を振り返り、何を学んだのか、何が分からなかったのかを整理する。また、可能な限り図書館を利用して、テーマに関する文献(授業中に紹介するほか、テキストにも参考書が多く掲載されている)を読み、内容についての理解を深めるよう努めてほしい。  2)分からないことがあったら、授業後に質問するか、文献を調べること。
		 
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その他履修上の注意事項 | 
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 授業は部分的にではなく、全体の流れを理解して学ぶことが必要である。本講を受講する学生は、生涯発達心理学あるいは春期に開講した教育心理学Ⅰを履修し、発達心理学に関するある程度の基礎知識を持っていることが望ましい。  授業に際して学校教育の現状や、スクールカウンセラーの活動についても関心を持っている学生の参加を歓迎する。適宜ビデオ学習を組み込む予定である。なお、授業の進行状況により、予定が変更することもありうる。
		 
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各回の授業内容 | 
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| 【第1回】 |  |  授業のめあて・授業構成・障害理解について・評価 |  | 【第2回】 |   Ⅰ 自閉症スペクトラム障害の理解   ① DSM-5に記述されていること |  | 【第3回】 |  |   ② 発達的観点からとらえ直す |  | 【第4回】 |  |   ③ 保育の中で揺れる心 |  | 【第5回】 |  |   ④ 当事者が発信する思い |  | 【第6回】 |  |   ⑤ 人として向き合うことで分かること |  | 【第7回】 |   Ⅱ 学校現場における心理的援助   ① 学級(学校)崩壊への対応 |  | 【第8回】 |  |   ② スクールカウンセラーの仕事 |  | 【第9回】 |  |   ③ 学校心理学に基づく援助 |  | 【第10回】 |   Ⅲ 「気がかり」を振り返る視点   ① 教師の悩み・気になる子ども |  | 【第11回】 |  |   ② 気になるのはなぜかを考える |  | 【第12回】 |  |   ③ 子どもの思いに寄り添う難しさ |  | 【第13回】 |  |   ④ 保護者と教師の見方の違い |  | 【第14回】 |   Ⅳ 乳幼児期の発達アセスメント   新版K式発達検査から分かること |  | 【第15回】 |  |  まとめと試験 |   
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