Web Syllabus(講義概要)

　人の発達は、ある程度の環境が整えば、定まった方向に自然に成長したり成熟していくところが大きい一方、体格や気質など、受け継いだ遺伝子からの影響や、親が子どもをかわいがったりしつけたりする親子関係からの影響、学校文化や国の文化などからも大きな影響を受け、個人の発達に大きな差異（個人差）を生じさせる。また人の発達は、生活や知恵の面では発達は一生続くものと考えることができ、それを「生涯発達」という言葉で説明することができる。
　以上より本講義では、いわゆる「ヒト」としての発達と（系統発生）、人の成長に与える環境要因（個体発生）に焦点を当てながら、人の誕生から死までの生涯発達を説明していく。学生諸君は、この講義を通して、自分が幼少期から歩んできた発達の道のりを振り返ったり、現在の青年期としての自分に向き合ったり、これから取り組むべき課題や、将来に向けて自分がどのような道を歩んでいくかを考えることにもなるだろう。このようにして、過去・現在・未来をひとつの連続体として考えられるようになることは、青年期の主たる発達課題の一つであり、この講義がその手助けとなればと思う。
　またこの授業は、教科書を主として発達心理学関連の研究成果を紹介するが、動画を見たり、関連する新聞記事なども配布して、日常生活に密着した理解ができるようにしていく。ぜひ受講してほしい。
　授業内容は、1回で教科書1章分を講義する方式である。授業の前半は教科書の内容についての説明、後半は配布した参考資料についての説明である。授業の終わり15分間は、知識の定着を図るため、空欄式または論述式のどちらかまたは両方のタイプの小テストを行う。（前期とは方式が異なり、小テストのみなので注意）

　・生涯発達心理学についての基礎的な知識の獲得をめざす。
　・講義を通して、青年期の発達課題のひとつである「時間的展望」の獲得をめざす。

　期末テスト60点、小テスト40点で評価する。期末試験は、選択肢問題と論述問題である。

　概ね以下のテキストにより授業を進めるが、随時他の文献を紹介する。
　『新版 発達心理学への招待』柏木惠子・古澤賴雄・宮下孝広（著）ミネルヴァ書房　2007

　教科書や配布プリントを見直しておくこと。特に毎回行う小テスト（穴埋め式と記述式の両方またはどちらか。）は、期末テストの準備にもなるのでしっかり取り組むこと。

　履修希望が多い場合は、抽選とする。初回授業に出席した学生を対象に抽選をするので、履修希望者は必ず＜学生証持参＞で出席すること。学生証がない場合は抽選に参加できない。