1. |
授業の概要(ねらい) |
|
万葉集を読みます。 万葉集はわが国に現存する最古の歌集です。もっとも新しい歌で759年の作品ですから、全体的には今からおよそ1300年ほども前の歌々が載せられていることになります。ずいぶん古い時代の和歌ですが、意外にも、今日のわたしたちの美意識や文章表記の方法など、さまざまなところで万葉集は影響を及ぼしています。万葉集を知ることは、わたしたち自身の文化について知ることにつながるといえるでしょう。 古文の知識がない人にも理解できるように話します。 春期は前期万葉と呼ばれる時代-奈良時代になる前-の歌を読みます。 また、現代短歌に関しても折々に話したいと思います。
|
2. |
授業の到達目標 |
|
古代和歌に関する基礎知識を理解することができる。万葉人の暮らしや思想・宗教などについて理解することができる。以上を目標とします。
|
3. |
成績評価の方法および基準 |
|
レポート試験(50%)と平常点(出席状況・コメントシート・短歌クイズ・小レポートなど。50%)をあわせて評価します。
|
4. |
教科書・参考書 |
|
テキスト:プリントを用意します。 参考文献:『額田王』(菊池威雄著、新典社)・『柿本人麻呂』(橋本達雄著、新典社)など。授業時に紹介します。
|
5. |
準備学修の内容 |
|
・配付するプリントを、授業の後、復習としてよく読むこと。 ・授業時に紹介する参考文献についてふれる機会を持つこと。 ・自ら疑問を立て、発展的に学習すること。
|
6. |
その他履修上の注意事項 |
|
出席することがたいせつです。試験だけでは単位を取得することはできません。また、遅刻をしないこと。授業のマナーを守ること。授業時のスマホの使用は不可。
|
7. |
各回の授業内容 |
|
【第1回】 | 春の歌からはじまる(季節の訪れと求婚の儀礼) | 【第2回】 | 王の歌①(国見の儀礼と天皇の世界の成立―見ることはホメること) | 【第3回】 | 王の歌②(狩の歌―地霊と豊饒) | 【第4回】 | 和歌とは何か(神の謎言葉と神の婚) | 【第5回】 | 和歌の様式(和歌の上下二部構造と五七定型の成立) | 【第6回】 | 万葉集の基礎知識①(編纂と成立) | 【第7回】 | 万葉集の基礎知識②(時代と背景) | 【第8回】 | 額田王①(ココロを表現する道具としてのウタ) | 【第9回】 | 額田王②(恋歌の成立―共同体にむかうココロと、内なるココロ) | 【第10回】 | 悲劇の皇子①(政争の中で非業の死を遂げた皇子たち) | 【第11回】 | 悲劇の皇子②(王権への叛逆者を歌うことの意味―恋物語として語る歴史) | 【第12回】 | 柿本人麻呂①(天皇の成立と和歌) | 【第13回】 | 柿本人麻呂②(新しい暦法の導入と和歌における時間意識) | 【第14回】 | 柿本人麻呂③(皇太子の死を悲しむ歌) | 【第15回】 | 柿本人麻呂④(人麻呂歌集の世界) |
|