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授業の概要(ねらい) |
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山本有三の小説『路傍の石』が執筆されたのは昭和12(1937)年であるが、小説の舞台は明治30年代であり、小説が小中学生に最も読まれたのは昭和30年代だった。明治時代を舞台にした「昔」の作品がなぜ多くの子供たちに読まれたのか。また、なぜその後読まれなくなるのか。こうした問題意識を持ちながら読むとき、この小説は近代日本の教育機会と社会階層の問題について考える格好のテキストとなる。 教育社会学Ⅰでは、以下のような内容について扱う: ・映画『路傍の石』(東映1964) ・『路傍の石』の3つの時代――作品の成立と受容 ・戦後の普及版と戦前の補完版のちがい ・「高等小学校現象」――戦前の教育システムと勉強立身熱 ・高等小学校卒業後の就業機会――丁稚奉公、見習工など
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2. |
授業の到達目標 |
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・近代日本の教育機会と社会階層の問題のポイントを押さえる。 ・小説「路傍の石」の歴史的社会的な背景を理解する。 ・高等小学校や丁稚奉公など、今はない制度について理解する。
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3. |
成績評価の方法および基準 |
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・平常点(20%) ・小テストや小課題(30%) ・期末レポート(50%)
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教科書・参考書 |
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テキスト:山本有三『路傍の石』新潮文庫 参考文献:木村元編著『人口と教育の動態史』多賀出版、2005年
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準備学修の内容 |
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・新潮文庫版の「路傍の石」を9月中に読んでおくこと。 ・小説の中の歴史的な出来事や用語について調べてくる宿題を課す。
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その他履修上の注意事項 |
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・長編小説を読み、歴史的なアプローチをとるので、自分で問題意識をもって取り組まないとついてこれない。 ・前回までの復習や小説の内容について、指名して答えてもらうことがある。 ・第2回以降の欠席回数が5回を超えた場合、期末レポートを受理しないので注意すること。
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各回の授業内容 |
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【第1回】 | オリエンテーション | 【第2回】 | 「路傍の石」の3つの時代 | 【第3回】 | 「路傍の石」はどのように受容されたか | 【第4回】 | 映画鑑賞① 原作との比較 | 【第5回】 | 映画鑑賞② 原作との比較 | 【第6回】 | 戦後の普及版と戦前の補完版の比較 ★小テスト | 【第7回】 | 高等小学校とは何か① | 【第8回】 | 高等小学校とは何か② | 【第9回】 | 教育と職業の接続① | 【第10回】 | 教育と職業の接続② ★小テスト | 【第11回】 | 3つの職業観① | 【第12回】 | 3つの職業観② | 【第13回】 | 昭和10年代の「独立自尊」 ★小テスト | 【第14回】 | 再び「路傍の石」の3つの時代 | 【第15回】 | ふりかえり、期末レポートの提出 |
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