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授業の概要(ねらい) | 
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 経済学の理論は大きく分けると、ミクロ経済学とマクロ経済学に分かれる。ミクロ経済学が、一人一人の消費者や労働者、それから一つ一つの企業などに注目して、経済を営む最小単位からアプローチするのに対し、マクロ経済学は、国家単位で集計して巨視的な観点から経済にアプローチするものである。  マクロ経済学を学ぶことは何の役に立つのだろうか。  それは、経済が国家単位の集団として営まれるとき、そこに現れる法則性が、わたしたち個人個人の生活にどんな影響を持つかがわかる、という点で役にたつのである。このような知識は、単に「単位が取れて卒業できた」ということ以上のメリットを諸君にもたらすだろう。それはなぜか。例えば、社会人になると、多少の蓄えができる。そのおおよそは銀行預金にするが、一部は株や投資信託などで増やそうと考える。このとき、物価や利子率の動向を予測するのは大切で、それは景気の先行きと密接な関係を持っている。また、家庭を持って子供ができると、いずれ住宅を購入する。現金で買える人は少ないので、たいていはローンを組むだろう。このとき、利子率の動向を予見したり、自分の職業の将来を見据えるのは、大切な態度である。このような「経済の見通し」を作るには、マクロ経済学の知識はなくてはならないものなのである。  この講義では、マクロ経済学への入門を、できるだけ身近な例を使って行うこととしよう。前期に、GDP、経済成長率、GDPデフレーター、インフレ率、実質成長率、貨幣供給量などのマクロ指標を講義したのを受けて、後期には、もっと突っ込んだ分析を行う。前期が主に、「経済の静止画像」的な講義だったのに対し、後期には「動画」のほうを講義する。専門的にいうと「経済成長理論」という分野である。  一国の経済が成長するのは、どういうメカニズムだろうか。なぜ、世界には豊かな国と貧しい国があるのだろうか。急激な経済の発展はどのように達成されるのだろうか。日本は、高度成長が止まり、今はゼロ成長の時代となっているが、これはどうしてなのだろう。これからどうなっていくのだろう。停滞から抜け出すための「成長戦略」をどうデザインしたらいいのだろう。これらの疑問に答えるのが、経済成長理論である。前期よりはいくぶん数理的になるが、使うのは「算数」だけなので恐れなくてもいい。
		 
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授業の到達目標 | 
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 資本量、貯蓄率、減耗率を変数とする経済成長理論(ソロータイプ)の理解が到達目標。
		 
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成績評価の方法および基準 | 
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 講義内に、問題演習を抜き打ちで3回実施し、出席ボーナス点を与える(計30点程度)。それに期末テスト(70~80点満点)の点数を加えて評価する。履修カードの提出、カードリーダーのクリック回数、演習プリントの提出枚数が不足の場合、期末テストの受験資格を与えないので注意すること。就活は欠席の理由として認めない。
		 
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教科書・参考書 | 
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 講義で指示する。
		 
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準備学修の内容 | 
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 Web File Serverに毎週、復習のための宿題をアップするので、次の講義までにやっておくこと。
		 
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その他履修上の注意事項 | 
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 カードリーダーのクリック回数、演習プリントの提出枚数の少ない者には期末テストの受験資格を与えないので、初回の講義に必ず出席して、単位取得の要件を確認の上で履修登録すること。就活で欠席が多くなる学生は履修しないこと。
		 
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各回の授業内容 | 
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| 【第1回】 |  |  講義ガイダンス~講義の内容、単位取得方法などを説明 |  | 【第2回】 |  |  経済成長理論と何か |  | 【第3回】 |  |  貯蓄率と減耗率 |  | 【第4回】 |  |  経済成長モデル1~タマゴ産業国のモデル |  | 【第5回】 |  |  プラス成長とマイナス成長、定常状態 |  | 【第6回】 |  |  モデル1の不安定性、ナイフエッジ |  | 【第7回】 |  |  線形な生産関数と凹型の生産関数の違い |  | 【第8回】 |  |  限界生産性逓減の法則 |  | 【第9回】 |  |  経済成長モデル2 |  | 【第10回】 |  |  経済成長モデル2の定常状態 |  | 【第11回】 |  |  定常状態への収斂原理 |  | 【第12回】 |  |  ゼロ成長を脱出するための政策 |  | 【第13回】 |  |  成長状態の変化と新しい定常状態への収斂 |  | 【第14回】 |  |  総合演習 |  | 【第15回】 |  |  講義の遅れに対する調整または最終演習 |   
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