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授業の概要(ねらい) | 
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 日本経済の活力の源泉はモノづくりの技術力にあると言われます。日本人はこれまで“made in Japan” に強いこだわりと誇りを持ってきましたが、日本製品の品質の高さが国際的に評価され、日本人自身が「技術立国・日本」を自負するようになったのはせいぜい1980年代以降の話です。この80年代に日本は自動車やハイテク産業で巨額の貿易黒字を生み出しましたが、今日では国内生産工場の海外移転などの影響もあって新興国の激しい追い上げを受けるようになり、国際競争力が急速に失われてきた産業も散見されるようになりました。製造業の産業競争力の有り様は日本経済の強さを知るうえでも極めて重要な事柄であり、「日本経済入門」では明治19年頃に始まったとされる日本の近代経済成長の過程で日本の各産業がどのように西欧の近代技術に迫り、吸収し、自立的発展を遂げてきたのか、その産業発展の歴史を振り返りなら「技術立国・日本」の経済力の秘密に迫りたいと思います。
		 
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授業の到達目標 | 
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 グローバル化した国際経済社会の中で日本は今どのような状況に置かれているのか、また、日本の近代経済成長の歴史の中で今日の日本はどのように位置づけられるのかを、受講者それぞれが自分なりにストーリーを描いて人に説明できるようになってもらいたいと思います。
		 
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成績評価の方法および基準 | 
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 期末に行うペーパーテストの結果を成績評価の基礎点とし、これに普段の授業への取り組み姿勢(出席状況、義務的課題の実施状況、任意レポート提出など)をボーナス点として加算して総合評価を行います。ただし、期末テストの成績が著しく低い場合はボーナス点の加算は行われませんので注意してください。また、以下の事項に該当する場合は大幅減点となります。  ①授業中の私語など他の学生への「迷惑行為」  ②授業中およびテスト時における「不正行為」  ・授業に際してカードリーダーに出席登録をしながら授業を抜け出す「出席偽装行為」  ・試験でのカンニングや持ち込み禁止物の持ち込みなど、あらゆる「不正行為」  ・提出レポートにおけるネット情報のコピー&ペーストなど、論文作成に係る「基本ルールに対する違反行為」
		 
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教科書・参考書 | 
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 【テキスト】特に指定しません  【参考文献】『産業技術史』中岡哲郎編(新体系日本史)        『日本近代技術の形成―“伝統”と“近代”のダイナミクス』中岡哲郎(朝日選書)        『近代技術の日本的展開 蘭癖大名から豊田喜一郎まで』中岡哲郎(朝日選書)        『日本の産業革命―日清・日露戦争から考える』石井寛治(講談社学術文庫)        『電子立国日本の自叙伝』相田洋(日本放送出版協会)        その他の参考文献は、講義に都度紹介します。
		 
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準備学修の内容 | 
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 講義の都度配布する資料を丁寧に読んで講義内容を理解するとともに、授業中に紹介する参考文献等をできる限り手に取って読み理解を深めて下さい。  なお、講義内容について理解を深め知識の定着を図るため、授業中に簡単なテストを行ったり宿題を課すことがあります。
		 
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その他履修上の注意事項 | 
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 単に授業を聞くという受け身の姿勢ではなく、講義を通して自分の関心や疑問を掘り起こし、原典や関連文献または統計データに直接あたって調べたり確認してみるといった積極的な姿勢で取り組まれることを期待します。  なお、授業中の私語など他の学生に迷惑をかけていると判断される場合は、即刻退室を求めるとともに、成績評価に際し大幅減点とします。
		 
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各回の授業内容 | 
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| 【第1回】 |  |  ガイダンス |  | 【第2回】 |  |  大航海時代の到来と商業革命 |  | 【第3回】 |  |  イギリス産業革命 |  | 【第4回】 |  |  アジアの植民地化 |  | 【第5回】 |  |  全国大砲鋳造運動と近代製鉄への挑戦 |  | 【第6回】 |  |  蒸気船建造への挑戦 |  | 【第7回】 |  |  通信・機械産業の勃興 |  | 【第8回】 |  |  開国と小判大量流出事件 |  | 【第9回】 |  |  開国と在来産業の輸出商品化(生糸) |  | 【第10回】 |  |  開国と在来産業の輸出商品化(綿) |  | 【第11回】 |  |  開国と在来産業の輸出商品化(茶) |  | 【第12回】 |  |  開国と石炭開発 |  | 【第13回】 |  |  明治殖産興業政策とお雇い外国人 |  | 【第14回】 |  |  国内官業博覧会と特許制度 |  | 【第15回】 |  |  まとめ |   
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