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授業の概要(ねらい) | 
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 今日の国際社会においては、われわれの日常生活のあらゆる分野について、条約に基づいて、国際社会の公共利益を実現するために、国連をはじめ数百の国際機構(=国際組織)が設立され、活動している。国際機構の存在を抜きにしては、現代の国際関係を正確に理解することはできない。これらの国際機構を設立し、活動を規律する法、すなわち国際機構法(=国際組織法)について、最新の具体的事例を踏まえて講義する。講義の構成としては、従来なされてきたような各国際機構ごとのタテ割りの解説ではなく、各国際機構に共通する論点ごとに、いわば横断的に分析をしていくという形態をとる。
		 
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授業の到達目標 | 
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 ①国際法の発展科目として、国際機構の形成と発展の歴史的な過程、国際機構の概念と種類について理解できるようになる。  ②国際法の発展科目として、国家と国際機構の関係、国際機構相互の関係、国際機構の組織と活動を規律する法について理解できるようになる。
		 
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成績評価の方法および基準 | 
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 原則として、期末試験100%で評価する。中間試験やレポートは実施しない(詳しくは第1回で指示する)。
		 
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教科書・参考書 | 
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 テキスト:『国際機構論(総合編)』 渡部 茂己・望月 康恵 編著(国際書院)  一昨年度よりテキストを変更しているので、2012年度以前入学の諸君は注意されたい。  参 考 書:『国際連合』 シドニー・D・ベイリー 著、庄司 克宏、庄司 真理子、則武 輝幸、渡部 茂己訳(国際書院)       『国連再生のシナリオ』 モーリス・ベルトラン 著、横田 洋三 監訳(国際書院)       『国連の可能性と限界』 モーリス・ベルトラン 著、横田 洋三・大久保 亜樹 訳(国際書院)       『国際機構の機能と組織[第二版]』 渡部 茂己(国際書院)       『国際機構入門』 横田 洋三 編著(国際書院)       『国際連合の基礎知識(2014年版)』 国際連合広報局編(関西学院大学出版会)       『国連と日本』 河辺 一郎(岩波書店)       『国連新時代―オリーブと牙』 外岡 英俊(筑摩書房)       『国際組織法』 佐藤 哲夫(有斐閣)       『国際機構』 庄司 克宏 編(岩波書店)       『国際機構論』 内田 孟男 編(ミネルヴァ書房)       『入門国際機構』 横田 洋三 監修(法律文化社)       『新版国際機構論』 横田 洋三 編著(国際書院)(2011年度までのテキスト)       『新国際機構論 上』 横田 洋三 編著(国際書院)(2014年度までのテキスト)       『新国際機構論 下』 横田 洋三 編著(国際書院)       『国際機構論(活動編)』 則武 輝幸・吉村 祥子 編著(国際書院)(2017年9月発行予定)
		 
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準備学修の内容 | 
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 必ず教科書・プリントで予習・復習をして、自学自習の習慣を身に付けて頂きたい。  教室に座っていさえすれば単位をもらえると思っているならば、大間違いである。
		 
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その他履修上の注意事項 | 
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 ①後期の国際組織法II/Bも是非履修して頂きたい。その他、国際法(歴史・法源)(国際公法A)、国際法(主体)(国際公法B)、国際法(空間)(国際公法C)・国際法(秩序維持)(国際公法D)、国際人権法(国際法特講A)・国際安全保障法(国際法特講B)、国際経済法I・II/A・B、国際関係論I・II/A・B、国際裁判所論I・II(国際紛争処理法A・B)、国際政治学I・II/A・B、外交史I・II/A・B、EU法I・II、国際ボランティア概論I・II。ことに国際法(歴史・法源)(国際公法A)、国際法(主体)(国際公法B)の単位を既に取得し、同じ3年次配当の国際法(空間)(国際公法C)・国際法(秩序維持)(国際公法D)、国際経済法I・II/A・B、国際裁判所論I・II(国際紛争処理法A・B)を並行して履修していることが、極力望ましい。  ②毎日、新聞の国際欄を読んだり、テレビのニュースを見たりして、自発的に国際問題に対する関心を深めるよう、努力して頂きたい。  ③テキストの順序に従って講義するが、随時、補足のためのプリントも配布する。講義の初日と最終日のみ出席するようないい加減な受講態度では、単位の取得は望めない。「先生の話はだまって聞きましょうね」、「勝手にお外に出てはいけません」とは幼稚園児が習うことである。幼稚園児「未満」の振舞いは、厳に謹んで頂きたい。途中で出て行くつもりなら、初めから来なくてよろしい。
		 
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各回の授業内容 | 
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| 【第1回】 |   教科書の構成に従って、以下の順序で講義する。  オリエンテーション |  | 【第2回】 |  |  身近な存在になった国際機構 |  | 【第3回】 |   国際機構の歴史的発展①  前史―近代国際社会の成立 |  | 【第4回】 |   国際機構の歴史的発展②  前史―政治家・思想家による世界政府の構想 |  | 【第5回】 |   国際機構の歴史的発展③  前史―市民革命・産業革命 |  | 【第6回】 |   国際機構の歴史的発展④  国際河川委員会 |  | 【第7回】 |   国際機構の歴史的発展⑤  国際河川委員会(続き) |  | 【第8回】 |   国際機構の歴史的発展⑥  国際行政連合 |  | 【第9回】 |   国際機構の歴史的発展⑦  国際行政連合(続き) |  | 【第10回】 |   国際機構の歴史的発展⑧  国際連盟と国際労働機関(ILO)の設立  国際連合の設立と「新しい国際社会」のはじまり |  | 【第11回】 |   国際機構の概念と種類①  定義 |  | 【第12回】 |   国際機構の概念と種類②  種類 |  | 【第13回】 |   国際機構の性格づけ①  国際機構と国家の関係 |  | 【第14回】 |   国際機構の性格づけ②  国際機構の性格に関する諸学説  今日の国際社会における国際機構の役割 |  | 【第15回】 |   国際機構相互の関係  国際機構と法  国際法  国際機構法  国内法  注1 ただし、以上は大まかな予定であり、必ずしもこの通りに進行するとは限らない。  注2 安全保障、軍縮・軍備管理・不拡散、人権・人道、開発援助、国際通貨・金融、貿易、環境・資源、社会・文化・教育などの分野で、国際機構が具体的にどのような活動をしているのかについても、必要に応じて適宜触れることにする。 |   
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