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授業の概要(ねらい) |
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ドイツ語入門のクラスです。ドイツといえば技術大国であり、これまで自動車産業をはじめとして、さまざまな産業分野で世界を牽引してきました。さらに現在では、リサイクルシステムや自然エネルギーの開発など、環境分野でも先進国であり、また都市開発・まちづくり運動などのNPO活動で注目されています。また、ドイツ語圏であるオーストリアは、従来のエネルギー政策に革新をもたらした「ペレットボイラー」の製造や、「CLT」を用いた木造高層建築技術などで、高い成功を収めています。将来的に、こういった分野に日本が本格的に乗り出すときに、次世代の日本の技術を担う学生たちが今からドイツ語を習得しておくことは、極めて有意義であると判断されます。 あわせて、ドイツという国の歴史や文化、思想を学ぶことも重要です。「言語」を学ぶということは、その国に住む人たちの「考え方」、「モノの見方」を知るということです。この授業の目的の一つは、単に実用的な「ことば」の習得だけでなく、ドイツ語の基本的な文法の学習を通じて、言葉に反映されるドイツ人の世界の見え方や発想の仕方(ドイツ的思考)に触れてもらうことにあります。そこから、各自の新しい“モノの見方”を獲得するきっかけをつかんでもらえれば嬉しく思います。 まずは気軽に、ドイツ語圏の人々と簡単なコミュニケーションを交わすことができるようになることを目指して、一緒にゆっくり学んでゆきましょう(あいさつ、自己紹介、買い物でのやりとりなど)。 授業は、指定のテキストに即して進めます。ただし、テキストに書いていない重要事項を授業中にたくさん指摘するので、授業には欠かさず出席することが望ましいです。外国語の学習には何よりも「語感」を養うことが大切です。方針として「暗記」を重視しません。それよりもまず「語感」を養ってもらい、ドイツ語の「文法」に慣れてもらうことを優先します。基本会話の練習では、適宜、学生同士で役割練習を行います。適宜、宿題や小テストを実施し、理解度を確認します。
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授業の到達目標 |
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・母語とは異なる表現方法や思考方法に対する理解を深めることができる。 ・基礎学力の向上に加え、文法や言い回しに反映されるドイツ人の“モノの見え方”や考え方、発想の仕方(ドイツ的思考)を学ぶことで、国際性への対応能力を獲得することができる。 ・ドイツという国の歴史や文化、職業、技術についての理解を深めながら、将来的に異文化交流の促進に貢献しうる人間性を養うことができる。 ・社会に出てから必要となるコミュニケーション能力と情報発信能力の土台を形成することができる。
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成績評価の方法および基準 |
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期末試験: 40% 確認テスト: 30% 授業態度(積極的な発言、意欲的に取り組む姿勢、授業への貢献度): 20% 宿題・課題の提出:10%
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教科書・参考書 |
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『BUMERANG Re(ブーメラン・エルエー)』(小野寿美子 ほか、朝日出版社、2015)2,500円 ISBN: 978-4-255-25380-0 C1084
※辞書については、初回に、入門者が使いやすいような辞書をいくつか推薦しますので、新規の購入を考えている学生は、それを聞いたうえで購入してもかまいません。電子辞書や、ドイツ語学習に有益なサイトについても紹介します。
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準備学修の内容 |
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次回の授業範囲を予習してくること。教科書の指定範囲に出てくる単語の意味を調べて、文法事項を確認してください。内容を理解したら、ミニ練習問題を解いてみてください。練習問題で間違った箇所は、なぜ間違ったのか、その理由を自分で分析してみてください。そうすることで、「なぜ間違ったのか」、「どうすれば同じ間違いをせずに済むか」が自分でわかります。 テキスト付録のCDを活用して、自宅でも発音や聞き取り練習をするように心がけてください。次のステップに進むには、すでに学習した事柄を繰り返し練習し、着実に定着させておくことが大事です。 学習してゆくなかで疑問に思ったことを、そのつどノートに箇条書きにしておきましょう。そうすることで探求意欲が湧きます。できるだけ日を開けずに、毎日コツコツやるのが、外国語習得の秘訣です。
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その他履修上の注意事項 |
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この授業は、「ドイツ語2」とあわせて一年間かけてドイツ語の基礎がひととおり習得できるように構成されています。したがって、引き続き、後期開講科目「ドイツ語2」を受講することが望ましいです。
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各回の授業内容 |
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【第1回】 |
導入:授業の進め方・ドイツ語とドイツ語圏の国々・アルファベート |
【第2回】 |
つづりと発音・挨拶・曜日と月・数詞 |
【第3回】 |
Lektion 1「ミュンヘンで自己紹介」:人称代名詞と動詞の現在人称変化 |
【第4回】 |
Lektion 1(続き):sein, haben・語順(定動詞の位置)・ja, nein |
【第5回】 |
Lektion 2「ザルツブルクの美術館で」:名詞の「性」と冠詞・名詞の格・定冠詞と名詞の格変化・不定冠詞と名詞の格変化 |
【第6回】 |
Lektion 2(続き)“身のまわりのものの名称”:格の用法・名詞の複数形・人称代名詞の使い方 |
【第7回】 |
Lektion 3「ヴィーン市街で」(観光案内所の会話):不規則動詞の現在人称変化・命令形 |
【第8回】 |
Lektion 3 (続き)“勧誘の表現”:非人称のes・時刻の表現・並列の接続詞 |
【第9回】 |
Lektion 4「ハンブルクで買い物」:定冠詞類・不定冠詞類 |
【第10回】 |
Lektion 4(続き)“買い物の仕方”:人称代名詞の3格と4格・3格と4格の語順 |
【第11回】 |
Lektion 5「バーゼルで」“場所・行き方の尋ね方”:前置詞の格支配・前置詞と定冠詞の融合形 |
【第12回】 |
Lektion 5(続き):疑問代名詞werとwasの格変化 |
【第13回】 |
プリントを使った学習 |
【第14回】 |
前期に学習した事項の復習 |
【第15回】 |
テスト・まとめ |
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